京セラと関電、「第三者所有」で住宅太陽光、年間で約1万円割安

2019/08/07 14:28
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
太陽光発電電力の不足分は系統から供給
(出所:京セラ関電エナジー)
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 京セラと関西電力は7月30日、「第三者所有モデル」のスキームを使って新築住宅に太陽光を設置し、電力を供給する事業の料金形態を発表した。

 両社による合弁会社、京セラ関電エナジー(京都市伏見区)を通じて提供する。住宅居住者にとって初期費用なしで屋根上に太陽光発電設備を設置し、その発電電力を利用できる。同日、サービスの料金などを発表した。営業活動や電力供給は秋に開始する。

 当面のサービス提供地域は、関東と中部地方とする。いずれも市場規模が大きく、他地域での拡販を目指している関電にとって、最大のターゲットとしている地域である。関東と中部で、5年後に4万件の契約数を目指す。

 合弁会社の設立や、サービスの開始そのものは、3月に発表していた(関連ニュース)。

 こうした事業スキームは、太陽光発電設備の所有者が居住者以外の第三者になることから「第三者所有(TPO)モデル」と呼ばれたり、太陽光設置者と居住者が電力供給契約(PPA)を結ぶことから「PPAモデル」と呼ばれたりする。

 サービス対象となる住宅には、屋根上に設置した太陽光パネルによる発電電力を供給する。住宅内の電力需要を、屋根上の太陽光発電電力だけで賄えない時間帯には、電力系統から不足分を供給する。災害時などの停電時には、太陽光発電システムを自立運転に切り替え、住宅内で発電電力を活用できるようにする。

 太陽光発電システムは京セラ、電力系統からの供給は関西電力と、役割を明確に分担し、それぞれの強みを効果的に生かすという。

導入後の料金内訳は?

 まずは、新築住宅を対象に展開する。契約の条件は、出力10kW程度の発電システムを設置できること、インターネットの通信環境を備えていること。

 契約期間は原則10年間で、10年後の契約満了後は、設置した太陽光発電システムは居住者に無償で譲渡する。メンテナンスは京セラが担う。京セラ製の太陽光パネルは、長期信頼性に優れることから、譲渡後も長年、使い続けられることも魅力と強調している。

年間で電気代を関東では約1万300円、中部では約9800円減らせる
(出所:京セラ関電エナジー)
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関東における料金形態
(出所:京セラ関電エナジー)
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中部における料金形態
(出所:京セラ関電エナジー)
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 今回、発表した関東と中部向けの料金では、例えば、関東で電気とガスを併用する住宅に、4人家族で暮らしている一般的な居住者の場合、従来の東京電力エナジーパートナーからの電力購入に比べて、年間で約1万300円を削減できるとしている。

 具体的には、試算上、従来の年間約16万2800円から、約15万2500円に減る。従来の年間約16万2800円の内訳は、基本料金が約1万3500円、従量料金が約13万3800円、再生可能エネルギー賦課金が約1万5500円の構成となっていた。

 また、新会社のサービスによる約15万2500円の内訳は、基本料金が約1万3200円、従量料金が約7万9100円、再エネ賦課金が約1万円、ここにサービス料が約5万200円加わる構成となる。

 このサービス価格については、すでに先行している同様のサービスと比べて、魅力ある価格としている。