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太陽光+蓄電池、欧州では「グリッドパリティ」間近に(page 2)

蓄電池の累積容量は、2024年までに5倍の6.6GWhに

2019/08/15 13:21
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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IRRの上昇で投資価値

 同社の分析では、イタリアでは2021年までに、ドイツでは2022年までに、蓄電池を併設した太陽光の正味現在価値(NPV)がプラスになり、投資する価値のある内部収益率(IRR)を確保できる水準になるという。

 これら両国では他の欧州諸国より多くの家庭用蓄電池が受け入れられてきたが、こういった傾向が欧州全体に広がると同社は見込んでいる。蓄電池を購入する動機が感覚的なものから、健全な投資判断へと変わりつつあると指摘する。

 「プラスのNPVや投資として意味のあるIRRが蓄電池市場の成長に必要不可欠ではないが、ドイツやイタリアの力強い成長がこれまで証明しているように、それらが大量の普及や市場成長を支えている」(McCarthy氏)。

 同社は、蓄電池システムのコストが急速に下落していることに加えて、電気料金が高騰しつつあることが、こういった転換をけん引していると分析する。今後もこのような傾向が続く限り、蓄電池に関する経済的な条件の改善や市場の成長が継続すると見込む。

 欧州域内の他の地域については、英国とフランスではこういった転換点の到来がまだ相当に先になるという。いずれもkWh当たりのコストがまだ高く、制度的な枠組みも十分に整備されていないためである。両国では、2024年までにグリッドパリティは達成されないものの、蓄電池の導入は続くと見込む。

 また、スペインは注目すべき市場という。同国は以前、太陽光発電のFIT政策で失敗し対応に苦慮した経緯があるが、欧州委員会による口添えもあり、現在の政府は自家消費を奨励する方向という。これにより、太陽光発電が再び成長軌道に乗り、欧州域内でも日照条件に恵まれる同国で蓄電池併設型太陽光発電の大量導入が期待されるとする。

 一方で同社は、蓄電池を併設する場合の太陽光発電では、高額となる初期費用が依然として課題と指摘する。ドイツでは、蓄電池を併設する場合に2019年のベースケースで93%の追加コストがかかるという。

 これによって顧客が蓄電池を導入する際の敷居が高くなるため、初期導入コストを抑制するためのビジネスモデルのイノベーションなどが必要と指摘している。

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