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マレーシアで大規模な藻類培養設備、3次元構造を採用

三菱商事と公立研究機関が設立、ちとせグループが監修

2019/08/21 07:56
工藤宗介=技術ライター
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マレーシア・サラワク州に設置した藻類培養設備
(出所:ちとせグループ)
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現地での研究の様子
(出所:ちとせグループ)
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 バイオベンチャー企業群のちとせグループは8月20日、熱帯環境下における世界最大規模の藻類培養設備の設計・監修を行ったと発表した。

 この培養設備は、三菱商事とマレーシア・サラワク州の州立研究機関であるサラワク生物多様性センター(SBC:Sarawak Biodiversity Centre)が共同で同州に設立したもの。

 三菱商事とSBCは、2012月10月から現地の有用な藻類の収集および実用化を目指すプロジェクトを開始した。ちとせグループは、同プロジェクトにおける三菱商事の技術アドバイザーとして、2013年から現場におけるプロジェクト運営やSBC研究員への技術指導を行っている。

 ちとせグループが今回設計・監修を行った藻類培養設備は、年間を通じて気温が安定し日射量が豊富であるという熱帯環境下の利点を十分に活用できる3次元構造を採用した。さらに、大規模化の容易な構造とし、建設コストを大幅に抑えた。

 面積は1000m2。2018年11月の竣工後、継続的な培養試験を行い、同設備を利用した商業化にめどを付けたという。同設備で培養した藻類をエビ養殖・孵化場へ提供し、飼料や水質調整剤としての活用を開始している。8月27日に開所式を執り行う予定。

 ちとせグループは、各種産業で利用される微生物や藻類を大量培養する技術を保有する。鹿児島県に藻類生産実証試験設備を構築し、ジェット燃料用など向けに藻類(ボツリオコッカス)のパイロットスケールにおける長期連続生産に成功した。また、静岡県掛川市で食用藻類(スピルリナ)の屋外大規模培養を行い、スピルリナ製品の事業化を実現した。

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