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追尾式太陽光、今後5年で150GW超導入、欧州・中東がけん引

2019/09/02 15:04
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 調査会社の英IHS Markitは28日、追尾式太陽光発電システムが、2019年から2023年までの5年間に150GW以上導入されるとの見通しを発表した(図1)。この設備容量は、同期間に地上設置される太陽光発電の総容量の約3分の1を占めるという。追尾式システムは、2018年に世界市場での出荷量が過去最高を記録している。

図1●追尾式太陽光発電(緑色)の市場見通し
(出所:HIS Markit)
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 同社が刊行した太陽光発電のグローバル市場に関する調査報告書「Global PV Tracker Market Report ― 2019」によるもの。

 同社は、南米と北米が世界全体の追尾式太陽光発電システムの市場シェアの40%以上を占めており、今後5年間にわたって追尾式システムの最大市場であり続けると予想している(図2)。国別では、米国が同期間に世界最大の単一市場になるという。

 一方、追尾式システムの需要が最も急速に成長するのは欧州、中東およびアフリカ(EMEA)の地域であり、スペイン、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプトといった国々において急拡大するメガソーラー(大規模太陽光発電所)への需要が同市場をけん引すると見ている。

図2●追尾式太陽光発電システムの地域別シェア
(出所:HIS Markit)
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 アジア地域は、同期間の太陽光発電の導入に関して世界最大の市場となるが、追尾式システムへの需要は他の地域よりも低いという。その理由として同社は、一般的な固定型の架台による太陽光発電システムとの価格競争や、追尾式に適した用地の獲得が困難なことなどを挙げている。

 追尾式太陽光発電システムのグローバル市場をけん引するサプライヤーとしては、米国のNEXTrackerとArray Technologiesの2社が南米と北米以外の新興市場でシェアを確保する流れが続くものの、スペインのPVHやSoltec、中国のArctec Solar、イタリアのConvert Italiaといった競合企業との競争が激化すると見込む(関連記事)。

 また、需要が急速に拡大しつつある両面発電パネルは、グローバル市場で追尾式システムの採用にとってプラスになるという。標準的な片面の太陽光パネルと比較して、両面発電パネルは一般に日照量など他の条件が同じ場合に5~20%ほど発電量の増加が見込めるが、追尾式架台を採用することで、さらに発電量の底上げが可能なケースがあるとしている。

 両面発電パネルと標準的な片面発電のパネルとのコスト差は近年急速に縮小しており、2020~2021年の時点までには、発電量の増加と比較して両面発電パネルによるコスト増加が相対的に無視しうる範囲に収まるだろうと同社は予測している。

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