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定置用蓄電池の世界市場、2.6倍に急拡大、系統安定化で需要増

2019/09/03 18:57
工藤宗介=技術ライター
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定置用蓄電池の世界市場規模推移
(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は8月30日、2018年の定置用蓄電池の世界市場規模(メーカー出荷容量ベース)は前年比165.5%増(約2.655倍)の9909MWhだったとの調査結果を発表した。

 従来のバックアップ電源向けに加えて、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力系統の安定化対策、電力の安定供給、大口需要家の電気代削減に向けた電力自家消費の最大化を目的とする需要が市場成長を牽引しているという。

 米国では定置用蓄電池に貯蔵された余剰電力を電力卸売市場に接続させる動きがあり、また日本では固定価格買取制度(FIT)の買取期間満了に伴う自家消費ニーズの拡大など、導入を促す方向へ外部環境が変化しつつある。

 その一方で「電気を貯めて使う」ことで経済合理性が成り立つ構図が描けておらず、定置用蓄電池の導入は依然として政策による補助金に大きく依存しているという。

 しかし、脱炭素社会への移行には再エネの大量導入は不可欠であり、再エネ拡大に伴う問題の解決には蓄電池が必須になる。同市場の成長を見込んだ参入も相次いでおり、今後の生産量の拡大や競争激化によるコストダウンなどにより、政策優遇による後押しがなくても導入する動きが活発化すると期待されるとしている。

 2020年以降は買取価格の下落による余剰電力の自家消費ニーズ、電力網の老朽化や人口密度の低い電力網インフラの拡充が困難な地域における電力安定供給のための需要などが拡大し、2025年の同市場は6万9892MWhに拡大すると予測する。そのうち、住宅用は1万1943MWhに達するという。

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