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バンブーエナジー、熊本県南関町に「竹・コージェネ」を完工

2019/09/06 10:33
工藤宗介=技術ライター
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バイオマス燃焼炉
(出所:バンブーエナジー、NEDO)
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ORC熱電併給設備
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全体フロー
(出所:バンブーエナジー、NEDO)
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 バンブーエナジー(熊本県南関町)は8月29日、竹を活用した熱電併給(コージェネレーション)システムを熊本県南関町のバンブーグループ敷地内に建設したと発表した。今後試運転を行い、2019年10月から本格的に実証運転を開始する予定。

 国内初の竹による「ORC(オーガニック・ランキン・サイクル)」を採用した。ORCとは、蒸気タービンと同様、ランキンサイクルによる発電方式の一種で、蒸気タービンとは異なり熱媒体として水ではなく、有機媒体(シリコンオイル)を利用する。具体的には、バイオマス燃焼炉で加熱された熱媒油(サーマルオイル)がORCユニット内でシリコンオイルと熱交換し、そのシリコンオイルの蒸気によりタービン発電機を回転さる。タービン冷却水は温水として供給され、暖房・給湯用や産業用の熱源として利用できる。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、地域と共生するバイオマスを導入するプロジェクトを推進しており、今回はその一環。同プロジェクトにおいてバンブーエナジーは、竹の加工工場に併設したバイオマス熱源併給カスケード利用による地域自立型システムの実現可能性を検討してきた。

 今回建設したプラントでは、各地域で荒廃が進み保全が課題となっている竹と、有効利用が課題となっているバーク(樹皮)を原料に、バイオマス燃焼炉とORC熱電併給設備で熱と電気を作り出し、隣接する竹材を材料とする製品加工工場で最大限活用する。年間約8750tの竹を利用し、電気出力995kW、熱出力6795kW(竹加工工場への熱媒油供給2800kW、温水供給3995kW)になる。

 一般的に竹は、燃焼時に灰が低温で溶融してクリンカを形成し、燃焼炉を傷める恐れがあった。同プラントでは、竹30%、バーク70%で混焼するとともに、燃焼温度や運転モードを最適化することで、竹燃焼時の最大の課題であるクリンカの発生を抑制した。また、ORC熱電併給方式を採用することで、一般的な蒸気タービンを用いた熱電併給方式と比較して、設備コストを約2億円低減した。

 電力を小売電気事業者から購入し熱をA重油ボイラーで供給する場合と比べて、年間で約1万9000tのCO2を削減できる。さらに、竹やバークを燃焼させた後に残る灰は、環境汚染の原因物質が検出されないこと、抗菌脱臭効果を持つことをテストプラントで確認しており、商品として販売することを目指す。2023年頃の事業化を目指す。

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