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事業用太陽光、最大の課題は「雑草」、保守契約は増加

2019/09/09 17:49
工藤宗介=技術ライター
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 九州経済調査協会が9月2日に発表した調査レポートによると、2017年4月に施行された改正FIT法で点検・保守が義務化されたことに伴い、メンテナンスを重視する太陽光発電事業者が拡大していることがわかった。

 2016年度のアンケート調査では50kW未満の事業用低圧連系案件でメンテナンス契約を結んでおらず自社で実施もしていない事業者は26.5%を占めていたが、2018年度の調査では6.5%に大幅に減少した。

 また、事業用低圧案件では、他社とメンテナンス契約を結んでいるのは2016年度14.7%から2018年度42.9%に拡大する一方で、自社実施は2016年度58.8%から46.8%に減少した。高圧連系案件では、他社メンテンナンス契約は2016年度58.5%から2018年度70.9%、自社実施は2016年度35.4%から2018年度には25.6%になり、事業用低圧・高圧とも他社にメンテナンスを依頼するケースが増加している。

太陽光発電所のメンテナンス契約の有無(左:事業用低圧案件、右:高圧案件)
(出所:2018年度K-RIP調査結果、2016年度九経局調査結果)
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 太陽光発電事業における課題については、事業用低圧案件では58.4%が「雑草対策」、26.0%が「パネルの汚れ」、15.6%が「改正FIT法への対応」と回答。高圧案件では66.3%が「雑草対策」、32.6%が「落雷・獣害による設備の故障」、26.7%が「パネルの汚れ」と回答し、発電所の規模に関わらず「雑草対策」を挙げる事業者が最も多かった。

太陽光発電事業で困っていること(左:事業用低圧案件、右:高圧案件)
(出所:2018年度K-RIP調査結果、2016年度九経局調査結果)
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 太陽光発電を長期間、安定して稼働させるには定期点検などの保守体制の構築が必要となるが、これまで50kW未満の事業用低圧案件ではメンテナンスが軽視されるケースが多かったという。2017年4月に施行された改正FIT法で点検・保守が義務化されたことに伴い、事業用低圧案件でもメンテナンスを実施する事業者が増加しつつあるという。

 太陽光発電所の「売却」検討については、事業用低圧案件では10.4%が現在検討中と回答、23.4%が将来は検討の可能性があるとした。高圧案件では、現在検討中はゼロだったが、18.6%が将来は検討の可能性があるとした。

 逆に「購入」検討については、事業用低圧案件では18.2%が現在検討中、36.4%が将来は検討の可能性があると回答した。高圧案件では22.1%が現在検討中、30.2%が将来は検討の可能性があると回答し、購入意欲の方が高かった。

 同レポートでは、太陽光発電が長期安定的な電源となるには、点検・保守とセカンダリーマーケット(中古売買)の成熟による太陽光発電所の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の成立が必要不可欠な要素になると指摘している。

 2018年度の九州環境エネルギー産業推進機構(K-RIP)からの委託調査、2016年度の経済産業省九州経済産業局の調査を取りまとめた。

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