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メガソーラーの発電コスト、欧州全土でスポット市場より安価に

2019/09/10 16:46
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 フィンランドのラッペーンランタ工科大学(LUT)のChristian Breyer教授らの研究チームは8月29日、欧州域内ではメガソーラー(大規模太陽光発電)による電力のコストが電力スポット市場の平均価格を下回ったとの調査結果を発表した。

 同研究チームが学術誌「Progress in Photovoltaics」に発表した調査報告書「今後のメガソーラーの均等化発電原価における加重平均資本コスト、設備投資、その他のパラメータのインパクト」によるもの)。

 同報告書によると、メガソーラー・プロジェクトによる均等化発電原価(LCOE)は、名目加重平均資本コスト(WACC)として7%を含めても、スペイン南部のマラガの1MWh当たり24ユーロから、フィンランドのヘルシンキの同約42ユーロまでの範囲に入るという。これらのコストは、両地域の電力スポット価格(フィンランドでは同47ユーロ、スペインでは同57ユーロ)より大幅に低い。

 Breyer教授らは、「太陽光による電力は、欧州全土のスポット市場の平均電力価格よりも既に安いということである」と同報告書で述べている。

 同研究チームはさらに、マラガでは2030年に1MWh当たり14ユーロ、2050年に同9ユーロ、ヘルシンキでは2030年に同24ユーロ、2050年に同15ユーロまで太陽光発電のコスト下落が続くと見込む。

 欧州各国では、固定価格買取制度(FIT)は廃止されつつあり、メガソーラーは電力購入契約(PPA)やスポット市場における電力の直接販売を通じて、自由市場で競争可能な段階に入っていると同報告書では指摘している。

 同研究チームはロンドン(英国)、ミュンヘン(ドイツ)、トゥールーズ(フランス)、ローマ(イタリア)、マラガ、ヘルシンキの6都市におけるメガソーラーのデータを分析した。2018年にこれら6カ国のすべてで、名目WACCを7%として、電力スポット市場の平均価格で売ってもメガソーラーの電力は利益が出るレベルだったという(図1)。

図1●欧州の6カ国ではメガソーラーのLCOEが電力スポット市場の平均価格を下回った。つまりメガソーラーの電力をスポット市場で売っても利益が出ることになる
(出所:Progress in Photovoltaics/wiley.com, CC by 4.0)
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 「電源構成に占める太陽光発電の比率は今後上昇するため、日中の電力市場価格は下落する可能性がある。また、設備および運用のコスト(CapEx・OpEx)が減少する結果として、太陽光発電ではスポット市場で利益を出せる状況が続く」(同研究チーム)という。

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