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南極・昭和基地で持続可能な住宅を実証、太陽光を搭載

2019/09/12 14:43
工藤宗介=技術ライター
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南極移動基地ユニットのイメージ
(出所:ミサワホーム)
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輸送時のイメージ
(出所:ミサワホーム)
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立極地研究所(極地研)、ミサワホーム、ミサワホーム総合研究所(ミサワ総研)の4者は8月26日、極限環境下での持続可能な住宅システムの構築を目的とした実証実験を南極・昭和基地で実施すると発表した。

 2017年のJAXA公募事業「宇宙探査イノベーションハブ」において、ミサワホームとミサワ総研が提案する「建築を省力化する工法技術」と「住宅エネルギーの自律循環システム」の開発による「持続可能な新たな住宅システムの構築」を採択した。宇宙空間の有人拠点に求められる「簡易施工性」「再生可能エネルギーシステム」「センサー技術を活用したモニタリング」などの技術要素は、南極の極限環境下においても共通することから、今回の実証実験を提案した。

 今回実証実験に用いる「南極移動基地ユニット」は、約6100×2500×3050mm、床面積約11.82m2のユニットを2基連結する。鉄骨ユニット構造と厚さ120mmの木質接着複合パネルを組み合わせて付加断熱を施した。外壁材にはガルバリウム鋼板と太陽光パネルを用いる。

 想定環境は、年平均気温-10.4度、最低気温-45.3度、最大瞬間風速61.2m/sなど。コンテナ輸送用に使用するソリを装着し、居住者の安全見守りセンサーなどを搭載した。10月下旬にユニットのお披露目を行う予定で、その後昭和基地に輸送し2020年2~9月に実証実験を行う。

 太陽光発電と集熱蓄熱システムなどによるユニット内部の暖房エネルギーの最適化の効果を検証する。ユニットの断熱性能の目標値はUA値0.20w/m2・Kとしており、日本における寒冷地域(北海道と東北の一部)のZEH基準であるUA値0.4w/m2・Kを上回る。これらの断熱技術による省エネ性能を検証する。

 このほかにも、ユニット2基を連結して居住空間を拡大、および1基ずつに縮小する作業を行い、施工の簡易性、施工治具や作業支援センサーの実効性を検証する。また、温湿度・CO2検知、火災検知などの居住者の安全を見守るセンサーをモニタリングし、ユニットの状態をリアルタイムで把握し、居住空間の安全性・快適性を検証する。

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