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「太陽光は2030年までに10倍増で5TW必要」、欧認証機関の調査

2019/09/17 18:05
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 ノルウェーの第三者認証機関であるDNV GLは9月11日、パリ合意の目標を達成して気候変動を回避するためには、太陽光発電の設備容量を10倍に増やし2030年までに5TWに拡大する必要があるとの調査結果を発表した。

図1●DNV GLが刊行したエネルギー転換に関する調査報告書「Energy Transition Outlook 2019:Power Supply and Use」の表紙
(出所: DNV GL)
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 同社がエネルギー転換に関する調査結果をまとめた報告書「Energy Transition Outlook 2019:Power Supply and Use」によるもの(図1)。

 同報告書では、世界全体におけるエネルギー転換が加速してはいるものの、気温の上昇を2℃未満に抑え気候変動を回避するためには、取り組みをさらに加速する必要があると指摘している。

 具体的には、太陽光発電の設備容量を10倍増の5TWに、風力発電を5倍増の3TWにする必要があるという。

 さらに、2030年までに毎年5000万台の自動車を電気自動車(EV)に置き換え、大規模な充電インフラや超高電圧送電網を整備し、エネルギー原単位を年に3.5%改善し、低炭素またはCO2ゼロの水素によってビルや産業用の熱需要と運輸交通部門の燃料を賄う、などの対策を今後10年間で進めることが必要だとしている。

 温室効果ガス排出量の増加が加速しているため、現在のエネルギー転換のペースでは、気温は2028年までに1.5℃、2049年までには2℃上昇してしまうと同社は見込んでいる。

 その結果、21世紀末(2100年)には気温は産業革命前より2.4℃上昇し、より強力な暴風雨や台風、より高頻度の洪水や干ばつ、海面水位の上昇、食糧供給の崩壊といった、気候変動に伴う様々な問題が発生する恐れがあると警鐘を鳴らす。

 一方、太陽光や風力による発電電力量を増加させるうえで、イノベーションや新技術の活用が有効としている(「再エネ大量導入に必須のイノベ―ションとは? IRENAが報告書」)。

 具体的には、太陽光発電では、両面発電、PERC(裏面不動態式セル)による高効率パネル、多結晶から単結晶への転換、追尾式架台の採用などを挙げる(「2019年・太陽光パネル『5つのトレンド』、中国調査会社が発表」「追尾式太陽光、今後5年で150GW超導入、欧州・中東がけん引」)。風力発電では、風力タービンの大型化やスーパーサイズ・ブレードの採用、電力価格を考慮した運転、デジタル化、洋上風力発電の実用化、などが必要としている(図2)。

図2●風力タービンの「スーパーサイズ・ブレード」の長さ(約115m)を他の構造物などと比較して説明した図
(出所:DNV GL)
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