石狩市、太陽光と水素製造を併用、安定供給を実現

2019/09/17 20:50
工藤宗介=技術ライター
山梨県が実証している太陽光による水素貯蔵システム
(出所:日経BP)
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 石狩市は、太陽光発電と水素貯蔵を組み合わせたエネルギー供給システムを構築する。市内の太陽光発電設備で発電した電気を水素に変換して貯蔵し、悪天候や夜間など十分に発電できない時間帯に電力を供給する。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震に伴う全域停電(ブラックアウト)を教訓としたもので、2022年度の導入を目指す。

 石狩市中心部から約40km北の厚田地区に太陽光発電設備を設置。災害時の避難所である「道の駅石狩 あいろーど厚田」、現在建設中の小中学校の両施設と送電線を敷設して電力供給する。平常時は北海道電力の系統電力と太陽光発電の両方から電力を供給するとともに、余剰電力から水電解装置により水素を生成して貯蔵する。

 災害などにより北電の系統電力が停電した場合、自前の送電線を独立させて太陽光発電の電力を供給する。悪天候や夜間など太陽光発電が機能しないときは貯蔵した水素を用いて燃料電池で発電する。同市は、自然放電する蓄電池と比べて水素は長期の保存に向いているという。

 現時点では、太陽光発電設備の出力は120kW、年間発電量は9万kWhを想定している。今後、導入コストや事業性などを勘案しながら今年度中に仕様や採用メーカーなどを確定し、2020年度に着工する予定。総事業費は約5億円の見込みで、北海道の補助金を活用する。

 同市では、太陽光発電や水素による電力供給のほか、洋上風力やバイオマス発電などの再エネ開発、石狩湾新港内に再エネ資源活用区域「REゾーン」の構築、再エネを活用した産業の育成など、再エネを核とした地域活性化に取り組んでいる。6月13日、北海道電力と地域連携協定を締結した。

 太陽光発電と水素製造を組み合わせたエネルギー供給システムについては、山梨県も甲府市のサイトで実証している。