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経産省、「FIP」の制度設計に着手、「地域電源」は4要素で評価も

2019/09/20 16:53
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 経済産業省は9月19日、固定価格買取制度(FIT)の抜本的な見直しなどを検討する有識者会議として、新たに「再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会」を設置し、第1回の会合を開催した。市場連動型制度への移行という方向性を改めて示した。

 経産省は、これまで再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会の場で、FITの抜本見直しを検討し、今年8月に中間整理をまとめていた。

 中間整理では、今後の再生可能エネルギー促進策として、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電など、いっそうのコスト削減を促しつつ推進する「競争電源」と、地域で活用される「地域活用電源」の2タイプに分け、前者は市場統合型の新制度に移行し、後者については、今後もFITの基本的な枠組みを維持する、としていた。

 今回、新設された再エネ主力電源化小委は、これを受けた形で、具体的な制度設計に着手した。今回示された事務局(経産省)案では、「市場連動型の新制度」については、これまでの有識者会の資料などで「参考」として紹介してきた「フィード・イン・プレミアム(FIP=Feed in Premium)」を新制度のベースとして正式に位置づけた。

 FIPとは、現行FITのように事前に長期の買取単価を固定せず、卸電力市場のスポット価格にプレミアム(上乗せ額)を加えて決める仕組みで、欧州などで採用例がある。ただプレミアムの決め方によってさまざまパターンがあり、制度設計が重要になる。

 事務局の整理では、FIPには大きく「完全変動型プレミアムFIP」と「全期間固定型プレミアムFIP」の2つがあり、前者は売電収入を予想しやすく、投資インセンティブを確保できる半面で市場への統合が不十分、後者は収入の予想が難しく投資インセンティブを確保しにくい半面で市場への統合に優れるという課題がある。そこで、事務局案では、この2タイプの要素を加味した「中間的な制度を目指すべき」とした。

「固定プレミアム型」と「変動プレミアム型」のイメージと特徴
(出所:経済産業省)
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 具体的には、一定期間ごとに、ある程度市場に連動した「市場参照価格」を設定し、この価格にプレミアムを上乗せしてFIP価格を決める仕組みを例示した。事務局案では、市場参照価格は、1カ月から1年程度ごとに見直すイメージを示している。

「固定プレミアム型」と「変動プレミアム型」の中間的な制度イメージ
(出所:経済産業省)
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 また、中間整理では競争電源については、入札制度の採用を提言しており、今回の事務局案でも「新制度においても入札制度を積極的に活用する」としている。このため、メガソーラーや洋上風力などの大規模な「競争電源」については、FIPと入札制度を組み合わせた形になりそうだ。

 こうした事務局の示したFIPの方向性に関して、委員から大きな異論がなかったことから、今後、さらに詳細な制度設計を進めていくと見られる。

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