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「太陽光が再エネ2ケタ成長への回復をけん引」、IEAが発表

2019/09/25 11:37
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 国際エネルギー機関(IEA)は9月20日、世界全体で2019年に新規導入される再生可能エネルギーの設備容量が、主に太陽光発電の力強い成長により、前年比で2ケタの成長率に回復するとの見通しを発表した(図1)。

図1●IEAが発表した電源ごとの再エネ設備容量導入見通し
(出所:IEA)
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 同機関は、再エネによる設備容量の新設が2019年に前年比で約12%成長し約200GWに達すると見込む。新設容量の大半は太陽光と風力であり、太陽光のグローバル市場での設備容量は17%以上の増加になると予測する。

 同機関の「持続可能な開発シナリオ(SDS)」によると、パリ合意で定められた温室効果ガス排出量の削減目標を達成するためには、再エネの新規設備容量は2018~2030年の間に平均で毎年300GW以上を導入しなければならない(「再エネの成長トレンド、2018年に失速、IEA発表」)。

 一方、再エネの設備容量は2018年に、2001年以降で初めて年ごとの成長率がマイナスに転じ、前年より微減の導入量に留まった。その主な要因は、中国政府による再エネ政策の転換としている。

 IEAのファティ・ビロル事務局長は、「2018年と2019年のトレンドを比較したときの大きな差を見ると、政策が再エネの成長を大幅に左右しうることは明らかだ」と述べている。

 太陽光発電のコストは2010年以降、80%以上下落しており、多くの国や地域で太陽光の競争力がますます高まりつつある。

 同機関はグローバル市場で新設される太陽光発電の設備容量は、中国市場の減速にも関わらず2019年に約115GWに増加すると見込む。この見通しは、英国の調査会社Wood Mackenzieが2019年8月の後半に明らかにした予測とほぼ同じである(太陽光の世界市場、2019年に再加速、最安記録も更新 )。

 太陽光発電で世界最大の市場である中国の導入は軟調となるが、欧州連合(EU)における市場の急拡大がそれを補う(図2)。EUの市場拡大をけん引するのは、スペインである。

図2●IEAが発表した再エネ設備容量の国・地域ごとの導入見通し
(出所:IEA)
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 東南アジア(ASEAN)では、優遇策の期限切れが迫るベトナムでデベロッパーによる駆け込み需要が発生し太陽光の新設ラッシュが発生しているという。固定価格買取制度(FIT)の終了期限を控えた駆け込み需要が旺盛なことは、太陽光プロジェクトの系統連系が相次いでいる日本でも同様である。インドや米国でも成長率が拡大する。

 中国の太陽光発電市場の加速の度合いが最大の不確実要素であることは、2018年の予測から変わっていない。同国の政策がFITから競争入札へと移行した結果、2019年上半期に太陽光の設備容量は、比較的緩慢なペースで導入が進んだ。

 しかし、2019年下半期の導入量は急増すると見込まれている。政策の転換後、最初に開始された大規模な競争入札案件の完成や、優遇策への依存度が極めて低いプロジェクトの台頭などが、市場成長のけん引役になっているという。

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