横浜市は9月17日、海を利用した取り組みによるCO2排出削減効果を認証する「横浜ブルーカーボン・オフセット制度」において、「海の公園」の公園管理区域内に生息する海藻のアマモによるブルーカーボン(12.3t-CO2)をクレジットとして認証すると発表した。
海の公園は、1988年に金沢地先埋立事業の一環で整備された、同市内で唯一の海水浴場を持つ公園。人工的に砂浜を造成しており、現在はアマモのほかカニやアサリなど多くの生き物が生息している。2019年6月時点の公園管理区域内に生息するアマモ密生域の面積は、東京ドーム約1.7個分に相当する7万7804m2。
これまでは海外ファンドなどを活用した調査によって推計した横浜の海に特化した独自の係数を用いて海草・海藻によるCO2吸収・同定量を算定してきた。クレジットの認証では、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)によってTier1として示された世界共通の係数を用いてCO2吸収・固定量を算定する。
「ブルーカーボン」は、森林が吸収・固定するCO2であるグリーンカーボンと同様に、海洋生態系が吸収・固定するCO2のことを指す。同市によるとブルーカーボンを用いたクレジット認証は初めての取り組みになるという。
これまで同制度でのクレジット創出は、わかめの地産地消、海水ヒートポンプ導入、LNG燃料タグボード導入、ハイブリッドタグボード導入など、ブルーカーボン以外の事業によって行われてきた。オフセットは、トライアスロン大会などのスポーツイベントや温暖化対策の実施に強い熱意を持つ事業者の事業活動に対して実施し、2018年度のカーボン・オフセット量は164.4t-CO2だった。