東芝子会社、福島県の公園に燃料電池コージェネ、再エネ水素で運用

2019/10/01 18:09
工藤宗介=技術ライター
「H2Rex」のイメージ
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は9月30日、福島県から「あづま総合運動公園」(福島市)に設置する純水素燃料電池システム「H2Rex」を受注したと発表した。

 同社などが同県浪江町で建設している、太陽光など再生可能エネルギーを活用した水素製造装置で提供された水素を用いて発電する。2020年4月に運転開始する予定。

 H2Rexは、水素を燃料に電気と熱を作り出すコージェネレーション(熱電併給)システム。再エネ由来の水素を使えばmCO2フリーの電気と熱となる。

 動作温度が約80度と他方式の燃料電池システムと比べて非常に低く、起動から約5分間の短時間で発電できるのが特徴。また、発電効率は最大で50%を超え、排熱利用効率を40%以上とした場合、総合熱効率は90%を超える。

 あづま総合運動公園向けに受注したシステムは、同社ラインアップで最大規模となる定格出力100kW機。効率や耐久性などの性能を維持しながらも設計を最適化し、従来機と比べて重量で30%、容積で40%低減した。また、100kW単位で設備容量を増減できるモジュール設計を採用し、顧客ニーズに合わせてMW級まで拡張可能。

 製造は福島市内にある同社グループ企業の北芝電機が行う。同公園の体育館横に設置し、発電した電力は照明や空調など体育館の電力の一部として供給される。発電の過程で発生する熱は、温水として有効活用する。

 浪江町で進められている水素製造プロジェクト「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」は、1万kW(10MW)級の水素製造装置を備えた水素エネルギーシステムを構築し、2020年度に実証運用を開始する。隣接したメガソーラー(大規模太陽光発電所)の電気などを活用し、1時間あたり約1200Nm3の水素を製造する。これは、一般家庭約150世帯(1カ月分)または燃料電池車(FCV)約560台に相当する。

 これまで東芝エネルギーシステムズは、H2Rexを川崎市殿町キングスカイフロント地区の東急REIホテルや山口県周南市の地方卸売市場など向けに納入しており、700W、3.5kW、100kWの3ラインアップ合計で100台以上の納入実績がある。