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京セラが世界初の「クレイ型」蓄電池、2020年に量産開始

2019/10/03 18:17
工藤宗介=技術ライター
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 京セラは10月2日、正負の電極が粘土状のクレイ型リチウムイオン蓄電池を開発し、同電池を内蔵した住宅用定置型蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」を製品化すると発表した。クレイ型リチウムイオン蓄電池の製品化は世界初という。

 固定価格買取制度(FIT)が終了する「卒FIT」住宅太陽光と併用した自家消費向けや、災害時の自立電源としての利用を想定した。2020年1月以降、少量限定で販売を開始し、2020年秋以降に本格的に量産を開始する。生産台数は年間2万台の予定。販売価格はオープン。

住宅用定置型蓄電システムEnerezza。左からPCS、蓄電池ユニット、リモコン
(出所:京セラ)
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 クレイ型リチウムイオン蓄電池は、正負の電極層の厚さを300~400μmと、従来の液体型リチウムイオン蓄電池(50~120μm)の3~5倍の厚さに設計でき、製造プロセスを大幅に簡素化した。

 また、パウチ材で密閉したユニットセルを直並列に組み合わせてモジュール化した構造を採用し、長寿命と高安全性を実現した。製造コストは、従来型リチウムイオン蓄電池と比べて約3割削減した。

クレイ型のイメージとセルの外観
(出所:京セラ)
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 「Enerezza」は、定格容量5.0kWh(実効容量4.2kWh)の「EGS-LM0500」、10.0kWh(8.5kWh)の「EGS-LM1000」、15.0kWh(12.7kWh)の「EGS-LM1500」の3種類をラインアップした。LTE専用回線と通信モデムを標準で用意し、ユーザーのインターネット環境に依存せず専用サーバーに接続して動作状況を把握するサポートサービスを行う。また、ソフトウエアアップデートを遠隔から実施できる。

 継ぎ目のない滑らかな曲面で覆われたデザインを採用した。蓄電池ユニット、パワーコンディショナー(PCS)、リモコンの間で統一感を持たせ、住空間に溶け込むデザインとした。リモコン表示もユーザビリティを重視し、蓄電池の残量や太陽光発電の発電量などの情報を見やすくした。

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