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欧州再エネ目標の32%、「達成のカギは企業の調達にあり」

2019/10/08 16:43
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 欧州の太陽光発電業界団体であるSolarPower Europe(SPE)は10月2日、全エネルギー需要に占める再生可能エネルギーの比率を2030年までに32%にするという欧州連合(EU)の目標を達成するうえで、企業がより大きな役割を果たすとの見通しを発表した(関連記事1)。現在、欧州の再エネ比率は17.5%である。

 SPEや風力発電の業界団体WindEurope、環境関連の非営利団体RE100などが、オランダのアムステルダムで開催したイベント「RE-Source 2019」において明らかにしたもの()。

図●SolarPower EuropeやRE100などが開催したイベント「RE-Source 2019」の様子
(出所:SolarPower Europe)
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 同イベントには、鉄鋼、アルミニウム、情報通信技術(ICT)、化学などの産業界でカギを握る企業の購買担当やクリーンエネルギーのサプライヤーなど数千人が参加、より多くの再エネ調達をどのように加速するかといった議論を繰り広げたという。

 このイベントが開催された直近の数週間にも、太陽光や風力による電力の調達に関する重要な発表が相次いでいる。具体的には、Googleが欧州で約800MWの電力を再エネで調達するとの発表、Amazonが2030年までに再エネ100%を目指す計画などである。

 国際空港評議会(ACI Europe)も同イベントにおいて、RE-Sourceプラットフォームと提携して空港業界におけるエネルギー転換を加速し、2050年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにすることを目指すとの公約を発表した。

 RE-Sourceプラットフォームはさらに、再エネ購入の新しいモデルの開発、消費者向けのトレーニングやリソースの提供、クリーン電力へのさらなるアクセス拡大などの資金として50万ユーロの助成金をGoogleの慈善活動部門であるGoogle.orgから受けたという。

 企業による再エネ調達は、欧州で急増している。過去5年間に締結された電力購入契約(PPA)による設備容量は7.5GWに達し、2019年だけで1.6GW分が締結された。

 産業用および商用の需要家は現在、欧州のエネルギー消費の過半を占めている。これらの法人需要家のエネルギーを再エネで賄うことは、温室効果ガス排出量の大幅な抑制と、再エネのコスト下落が急速に進んでいるため、欧州産業界の競争力向上に繋がるとしている。

 欧州委員会が最近発表した調査によると、EUを拠点とする企業が2030年までに総電力需要の30%を再エネで賄った場合、EUの再エネ分野は7500億ユーロ以上の総付加価値と22万人以上の雇用を創出するという(関連記事2)。

 SPEのWalburga Hemetsberger CEOは、「欧州における商用および産業用のオンサイトでの再エネ供給やPPAの増加は、再エネの成長に弾みがついていることを示しており、サプライヤーに対する需要や新しい事業機会の可能性は明らかだ」と述べている。

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