東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は、インドネシアへの自立型水素エネルギー供給システム「H2One」の普及に向けて、国営電力会社のインドネシア電力公社(PLN)と協業する。10月10日、経済産業省が主催した日尼エネルギーフォーラムにおいて調印した。
覚書に基づき両社は、同国内へのH2Oneの普及に向けた具体的な技術・制度を検討し、2023年までにインドネシアの島々への商用機の導入を目指す。同国の電力供給事業計画(RUPTL)では、再生可能エネルギーの設備容量の比率を2017年の12.52%から2025年に23%まで増加させることを定めている。
同国では離島に住む人口が多く、各島における安定的かつ経済的な電源確保が課題となっており、離島の条件に適合した分散型電源システムへの需要が高まっている。H2Oneは、再エネと水素を活用することで天候に左右されずに電力を安定供給できるため、分散型電源として離島などでエネルギーの地産地消を実現できるという。
同社は、2018年8月に同国技術応用庁(BPPT)とH2One普及に向けた調査事業に関する覚書を締結。2018年9月には経産省の「離島向け自立型水素エネルギー供給システム『H2One』適用案件開発調査事業」を受託し、インドネシアにおけるH2Oneの適応性について検証した。2019年2月までに導入可能な地域を絞り込み、現在は実証機の設置を進めている。
H2Oneは、これまでに国内施設に10機を導入済み(自社内を含む)。また海外では、フィリピンにおいてもフィージビリティ・スタディに向けて検討している。