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集合住宅向け小型「エネファーム」、エアコン室外機の大きさに

2019/10/17 13:14
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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燃料電池ユニット(右)をエアコンの室外機と同等に小型化
(出所:日経BP)
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市場規模を格段に増やす
(出所:日経BP)
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スペースに限りがある集合住宅での導入を可能に
(出所:日経BP)
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 東京ガスと京セラは10月10日、集合住宅向けに小型化した家庭用燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システム「エネファームミニ」を発表した。10月30日に発売する。燃料電池には、相対的に発電効率の高い、固体酸化物型(SOFC)を採用した。

 燃料電池ユニットは、エアコンの室外機程度の大きさで、世界最小の寸法という。この小型化により、これまで戸建て住宅向けに限られていた燃料電池コージェネの市場が、集合住宅まで広げる。

 市場規模の大きな集合住宅を取り込むことで、販売台数の拡大が期待できる。

 東京ガスは、2019年7月末までに、累計で12万台の燃料電池コージェネを販売してきた。年間では1万8000台の販売目標を掲げている。今回の集合住宅向けでは、これに上乗せする新市場の開拓を目指す。

 燃料電池コージェネは、一定の出力などを確保するには、構成部品の寸法が大きくなる課題がある。今回の製品は、中でも小型化の難しかった燃料電池ユニットを、800×700×350mmに抑えた。

 これにより奥行きが500mmといった場所でも設置でき、集合住宅でも設置できるようになった。

 小型化は、最大出力を400Wに抑えたことと、燃料電池ユニットのうち、セルスタック(発電器本体)や貯湯タンクなど工夫によって実現した。出力を抑えたのは、住宅内の省エネが進み、家庭の消費電力量が減っている傾向に合わせたためとしている。

 小型化したことで、設置工事の負担も小さくなった。重心が低くなったことで、「下駄基礎」を利用できるようになり、設置工事が簡素になり、所要時間も短くなるという。

 東京ガスが販売し、京セラは燃料電池ユニットを供給する。燃料電池ユニットは、京セラ、ダイニチ工業、パーパスによる共同開発となる。

 エネファームミニが発電中に商用系統が停電した場合、通常時と同じ最大出力400Wで発電を続け、停電時専用のコンセントからテレビ、携帯電話の充電などができ、給湯や床暖房も利用できる。

 近年、増えている単身者向けの集合住宅に対応するには、さらに小型化を進める必要があるが、出力などの性能と効率、コストのバランスを考えると、これ以上、小型化した機種を事業化するのは難しいとしている。

 このため、集合住宅向けのサービス企業などが、1台の燃料電池コージェネで数世帯分をカバーして電気や熱を提供するといった形態での事業を手がける可能性がある。

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