ニュース

英国で再エネ急拡大、蓄電池の導入量も4年間で1000倍に

2019/10/18 17:00
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 英国の再生可能エネルギー協会(REA)とElectraLinkは10月11日、同国における蓄電池の導入量が2014年の50MWhから2018年には49GWhと4年間で約1000倍に急拡大したと発表した(図1)(関連記事1)。

図1● 英国における蓄電池の導入量の推移
(出所:REA)
クリックすると拡大した画像が開きます

 REAは同時に、太陽光発電による電力量も2012年の194GWhから2018年には8TWhと40倍以上に急増していることを明らかにした(図2)。

 英国でエネルギー市場関連のデータ収集や調査を手がけるElectraLinkの「エネルギー市場データハブ(EMDH)」に基づくもの。同社の調査データによって、英国の配電網では様々な電源から流入する電力の比率が拡大しつつあることも分かったとしている(関連記事2)(関連記事3)。

 2012年の時点では配電網に流入する電力の60%以上が、天候に依存せず調整力として使用可能な火力発電などの電源によるものだった。ところが、2018年には火力発電による電力量が40%以下に減少し、太陽光や風力といった再生可能エネルギーなどによる変動性電源が60%以上に増加して逆転した(図3)。

 その結果、配電網が不安定化して需給調整が難しくなることから、配電事業者であるDNO(Distribution Network Operator)がフレキシビリティー(需給調整の手段・手法)を確保して「配電システム運用事業者(DSO:Distribution System Operator)」へと進化することの必要性が増しているという。

図2● 英国における太陽光発電の導入量の推移
(出所:REA)
クリックすると拡大した画像が開きます
図3● 英国の配電網における変動型電源(赤色)と調整電源(水色)の比率の推移
(出所:REA)
クリックすると拡大した画像が開きます

 図2、3のグラフで「Solar」は従来の太陽光発電を、「Solar(mixed)」は太陽光ではあるものの、蓄電池やディーゼル発電機を併設しており従来の太陽光とは異なる振る舞いを示す電源を示している。

 ElectraLinkでエネルギー市場調査などの責任者を務めるPaul Linnane氏は、「太陽光や風力といった変動性電源の指数関数的な増加は、配電事業者がさらに多くの再エネの系統連系を計画するうえで無視できない。また、電気自動車などの急増にも留意する必要がある」と述べている。

 今回REAとElectraLinkが発表したデータは調査の一部であり、データ全体としては配電網レベルの電力の詳細データ、サプライヤーの切り替え、スマートメーターなども網羅している。10月24日にロンドンで開催されるカンファレンスにおいて、「Flexible Futuresレポート」としてディベロッパーやメーカー、政策立案者に向けて公開する予定という。

  • 記事ランキング