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フィルム型ペロブスカイト太陽電池を環境センサーに活用、京大など

2019/10/29 14:51
工藤宗介=技術ライター
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 京都大学とリコー電子デバイス(大阪府池田市)、ニチコンらの研究グループは10月18日、室内環境のような低照度下でも高い変換効率のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を活用した自立電源型のIoT環境センサーシステムを開発したと発表した。

 京大が開発したフィルム型ペロブスカイト太陽電池、リコー電子デバイスの電源IC、ニチコンの小型リチウムイオン電池から構成される。太陽電池で発電した電気を、エナジーハーベスト用の低消費電流降圧DC-DCコンバーターで降圧してリチウムイオン電池に充電する。

 充電したエネルギーを低消費電流昇降圧DC-DCコンバーターで昇降圧し、温度・湿度・気圧・照度を測定できるセンサーと無線モジュールを駆動することで、センサーが感知した情報をBluetooth(BLE)で送信し、データ収集を行う。

 電源を確保できない場所にIoTエッジ端末を設置する場合、蓄電デバイスに一次電池が多く使用されているが、耐用年数が短いため定期的に交換する必要があった。光・温度・振動・電波などのエネルギーを電気に変換するエナジーハーベストを搭載することで自立化し、メンテナンスフリーとすることが可能になる。

 フィルム型ペロブスカイト太陽電池を活用した自立電源型IoT環境センサーシステムは、各部屋の温度や湿度などの情報を収集できるスマートホーム、火事・洪水・地震などの災害検知、生産ラインの稼働状況や在庫数量などを監視するスマートファクトリー、ハウス内における最適環境を作り出すスマート農業などへの応用が考えられる。

 同製品は、幕張メッセで10月15~18日に開催された「CEATEC 2019」に出展した。IoT市場のほかにも、さまざまな分野での活用が期待できることから、同システムの特徴を生かした新規市場も開拓していく予定。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池を活用した自立電源型IoT環境センサーシステムの概要図
(出所:京都大学、リコー電子デバイス、ニチコン)
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