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北海道厚沢部町で「太陽光+EV」の次世代交通、実証結果を公表

2019/11/02 20:33
工藤宗介=技術ライター
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ISOU PROJECTの概要
(出所:TIS)
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 TISは10月24日、北海道厚沢部町で実施した電気自動車(EV)、太陽光発電などを組み合わせた次世代型の交通・エネルギーに関する実証実験の結果を公表した。

 この実証プロジェクトは、過疎地域の次世代交通・エネルギー問題の解決を目的としたもので「ISOU PROJECT」と名付けた。同社とINDETAIL(札幌市)が事務局を務めた。

 具体的には、街の既存施設である太陽光パネルやEVスタンドを活用し、地域住民向けにEVバスによる移送サービスを提供するもの。プロックチェーンで地域通貨を発行し、住民はその地域通貨でEVバスを利用できる。

 新たに開発したMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)プラットフォーム、7人乗りEV車「NISSAN E-NV200」2台、地域通貨発行端末、乗車時に必要なスマートフォンアプリやICカードなどを町に無償貸与して実施。また、エネルギーの地産地消に向けた検証を行った。

 実証実験は、8月19日から12日間に渡って実施した。町民のうち103人が利用登録を行い、のべ279人のオンデマンド運行、のべ24人の定期運行(公営塾送迎)の利用があった。利用者のうち48%が60歳台以上の高齢者であり、地方における「交通弱者」の問題が浮き彫りになったとしている。

 EVの稼働状況は、オンデマンド運行回数が158回、1日平均の運行回数が13回。1日平均利用者数は23人、平均利用距離は1回あたり5.07kmとなり、対象地区を限定したこともあるが近距離での利用が中心だった。

 平均走行距離は1台あたり1日66kmで、月換算の1台あたりのエネルギーコストは7768円、ガソリン車(2万3231円)との比較では1台あたり1万5463円のコスト減となった。厚沢部町で稼働するメガソーラー(大規模太陽光発電所)のみで一定台数以上のEVを稼働できると試算しており、5台導入時のコスト減は7万7315円と見込まれる。

 また、地方自治体・政府関係者・民間企業・プレス関係者を対象とした現地視察会を8月26~27日、28~29日の2回開催した。ISOU PROJECT推進協議会は、今回の実証実験結果を踏まえて今後の事業化について検討し、過疎地域の次世代交通・エネルギー問題解決など地域の活性化に貢献するとしている。

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