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「分散エネ・アグリ」の国内市場、2030年度には730億円に

2019/11/02 22:04
工藤宗介=技術ライター
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エネルギーリソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)市場規模予測
(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は10月31日、2019年度の分散エネルギーリソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)市場規模(事業者売上ベース)は44億円の見込みであると発表した。今後は、2021年度に75億円と本格的に立ち上がり、2025年度には365億円、2030年度には730億円に達すると予測する。

 同市場の規模は、ERAB事業者がDR(デマンドレスポンス=需要応答)やVPP(仮想発電所)から得る収入(DR・VPP契約およびそれに基づく電力供給の対価・報酬)の合計となる。もともと旧一般電気事業者が社内業務として対応していた仕事を外部に切り出したものであり、現段階では経済的価値を明確にし難い市場という。

 今後、再生可能エネルギー電力を拡大し、火力発電を補完する市場として必要性が高まると考えられる。従来からの調整力公募による市場と新電力会社におけるバランシング市場に加えて、2020年に創設される予定の容量市場と2021年度に創設される需給調整市場が立ち上がることで拡大していく見込み。

 また、DR・VPPにとって最も重要なエネルギーリソースとしては蓄電池が挙げられ、蓄電池の普及と活用可能性が同市場の拡大を左右することになるという。蓄電池は高速応答できる制御性の高さから、火力発電を置き換えるリソースとされる。ただし、蓄電池自体が電力を生み出すわけではないため、その分、コストを下げる必要がある。

 EVに搭載される蓄電池もDR・VPPの対象となり、V2X(Xは住宅・ビル・系統など)の機能が期待される。EVの個々の位置情報や充電状況を把握できれば、移動型の蓄電リソースとして高精度に制御できる。高精度なDR・VPPには、電力の需要予測とEVの動向予測を行えるシステムを構築する必要があるとしている。

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