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台風による大規模停電、「蓄電池付き太陽光」が活躍、千葉と長野で

2019/11/02 23:49
工藤宗介=技術ライター
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蓄電池付き太陽光発電を設置した鋸南小学校
(出所:スマートソーラー)
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屋根上に設置した太陽光発電システム
(出所:スマートソーラー)
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校内に設置した蓄電池システム
(出所:スマートソーラー)
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 9月9日に上陸した台風15号による千葉県内の大規模停電では、千葉県鋸南町にある鋸南小学校に設置した自家消費型の蓄電池付き太陽光発電システムが非常用電源として活用された。文部科学省のスクール・ニューディール事業により、スマートソーラー(東京都中央区)が設置したもの。

 太陽光パネルで発電した電力を、蓄電池に充電し、その直流電力をパワーコンディショナー(PCS)によって交流電力に変換し、学校内の特定負荷に対して電力を供給した。2010年4月に太陽光パネル(出力20kW)、蓄電池(容量16kWh、出力22kW)のシステムを設置し、東日本大震災でも活用された。その教訓から2013年10月に太陽光パネル(10kW)、蓄電池(容量16kWh、出力10kW)を追加設置した。

 台風15号では、東京電力管内で約93万戸が停電した。スマートソーラーのO&M(運営・保守)チームも10日に現地入りし、鋸南小学校の付近一帯が全て停電していることを確認した。また、11日には近隣の瓦片が飛来し太陽光パネル2枚が割れたため交換した。

 同校の樋口校長によると、学校内はガラスが割れ廊下が水浸しとなるなど非常に危険な状態だったが、太陽光発電システムで電力が使えたことで、教室や廊下に飛び散ったガラスの破片などを掃除機で片付けることができたという。

 このほかにも、10月12日に上陸した台風19号に被災した長野市では、電源を喪失した現地の防災拠点に対して、地元企業のPDジャパンが無停電電源システムを無償貸与し、情報資源時の収集活動など復旧活動の一助を担ったという。

 PDジャパンが提供したのは、防災対応の「MSD-BOX」100Wタイプ。商用電力と太陽光発電を組み合わせたハイブリッド方式の常用型給電システムで、停電時も独立回路で太陽光発電を利用しながら蓄電し、夜間は蓄電池から電力供給する。

 台風19号では、13日の明け方に穂保地区の堤防が70mにわたり決壊、浸水区域は南北約5km、東西約2kmに達し、最大推定浸水深は4.3mを記録した。決壊点から約3.5km離れた豊野地区の防災拠点だった長野市豊野支所にも泥水が流れ込み、非常用発電機による給電も他棟に中継する高圧受電器が水没したため電源を喪失した。

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