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「宇久島の480MW向けに、年内に太陽光パネル出荷を開始」、京セラ・谷本社長

2019/11/03 18:22
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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2020年3月期上期の決算説明会で発表する谷本秀夫社長
(出所:日経BP)

 京セラの谷本秀夫社長は11月1日、長崎県佐世保市・五島列島の宇久島において施工の始まった出力約480MWの太陽光発電プロジェクトに関して、年内に自社製の太陽光パネルの出荷がはじまることを明らかにした。

 固定価格買取制度(FIT)で認定済みの太陽光発電プロジェクトでは、現時点で最大規模とみられる。太陽光パネルは、京セラ製の多結晶シリコン型、約165万枚を設置する。

 既報(480MWの「宇久島プロジェクト」、8月にようやく着工!)の通り、すでに着工しており、本格的な施工の準備のための工事が進んでいる。

 宇久島のプロジェクトでは、発電設備の設置区域も緑化する条件が課されている。このため、伐採や整地などを施す場所でも、緑化を終えてから基礎を築き、架台を据え付ける。

 太陽光パネル設置区域には、整地すらほぼ不要な場所もある。こうした場所では、早くから基礎や架台の設置が進み、年内にも出荷の始まるパネルは、こうした場所から納入するようだ。

 太陽光発電関連分野は、同社の決算報告書のセグメント分類において、機器・システム事業の「生活・環境」に含まれる。このセグメントは、医療機器、宝飾・応用製品も含むが、大半を太陽光発電関連が占めている。

 2020年3月期の「生活・環境」の売上高は、前の年度の801億1400万円から、980億円と大幅に増える見通しである。

 この増収の要因は、医療関連の英国におけるM&A(企業や事業の合併・買収)による効果とともに、下期には太陽光パネルの出荷が増えることも加わる。

 この増加分には、宇久島プロジェクト向けの出荷開始による効果も盛り込んでいる。

 宇久島プロジェクトだけでなく、8月中には、特別高圧案件の着工が通常よりも多かったとみられる。

 これは、経済産業省が2018年秋に打ち出した「未稼働案件への措置」である、FIT開始当初の3年間の認定分を、その買取価格のままで売電する権利を確定できる期限だからである。こうした案件向けの太陽光パネルの出荷が秋以降に始まり、京セラを含めた太陽光パネルメーカー各社の出荷量を押し上げる要因となりそうだ。

 京セラの2020年3月期の「生活・環境」の利益は、前の年度の63億9800万円の赤字から、49億9600万円の赤字に、損失幅が大幅に改善する見通しである。これは、前期までに実施してきた太陽光発電関連の構造改革の効果が寄与するためとしている。

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