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太陽光の廃棄費、例外的な内部積み立ての「認め方」を議論

2019/11/05 07:05
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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金融機関による専用口座の確認に関する案。融資の返済が終わった後は、外部の積立機関に移す
(出所:経産省)
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内部積み立ての条件を満たさなくなった場合の外部の積立機関への移行のイメージ
(出所:経産省)
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 経済産業省は10月29日、「太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループ(WG)」の第6回の会合を開催した(第5回の関連ニュース)。

 今回の会合で論点の整理が終わり、次回の会合で、取りまとめ案を議論するとしている。

 必要な廃棄費用の確実な確保に向けて、今後、源泉徴収型の「外部積み立て」を基本とする運用に変える予定(2018年11月の会合の関連ニュース)。この運用に変えた際に、例外的に一部の発電事業者に認めるとする、「内部積み立て」の対象となるために備えるべき条件を改めて示した。

 これまでの議論の中で、とくに、「廃棄に必要な費用を確実に確保できる」案件の条件として示された要件について、委員から疑念や指摘が相次いでいた。

 今回は、固定価格買取制度(FIT)の認定において、電気事業法上の発電事業者と事業用電気工作物に該当する案件で、かつ、「外部積み立て時で求められる額以上の廃棄等費用の積み立てが予定され、その公表に同意する案件」で、さらに、その積み立て計画の実行が、「金融機関や会計士などによって、専用口座を通じて年ごとなど定期的に確認できる」「事業者の収支の中で廃棄等費用が適切に位置づけられている」「上場など事業者の財務状況を確認できる案件」を対象とすることを示した。

 ただし、今回の案でも、「修繕などのために、積み立て計画に対して実際の積立額が一時的に下回る場合には、翌年までに再び満たせばよい」といった例外の要件を残した。

 こうした提案に対して、前回と同様に、「廃棄費の確保のための制度運用は、最悪のケースを想定して、性悪説で考えるべき。FITに基づく太陽光発電は、制度面で設備の設置や運営の方法に自由度が高いことを悪用している発電事業者が少なくない現状を忘れてはいけない」などの意見があった。

 例えば、「公表した積み立て計画を守れなかった場合、厳しい対処を実行できるのかどうか」、「上場企業だからといって、財務状況が継続的に良好に安定しているとは限らない、公表している財務状況と実際の資金状況が異なる場合がいくらでもある」。

 また、「専用口座を設けて運営している特定目的会社(SPC)でも、実際には親会社が資金繰りに苦しんでいるために融資を受けていることが多い。このため、SPCの運営も元本と金利の月々の返済だけで目一杯な状況を強いていることが多く、積み立て不足に陥ることが目に見えている。こうした企業に、一年間で積立額を公表通りに是正することを求めても、現実には難しいことも予想される」、「こうしたSPCでも、金融機関にとっても、太陽光発電事業を続けた方が長い目で見てプラスと判断しているので潰さない。こういった場合に、資金の取り崩しは致し方ないと判断して黙認する場合が多いので、廃棄費の積み立てでも、現実には運用を変更せざるを得ない案件が多くなることが予想できる」といった指摘も相次いだ。

 2021年度に予定されている新制度の「フィード・イン・プレミアム(FIP=Feed in Premium)」の下での案件(関連ニュース:第1回:「FIP」制度に着手第3回:低圧野立てへの支援を打ち切り)における廃棄費の積み立ては、基本的にこれまでのFITと同様の手法を想定しつつ、新制度のスキーム次第では、FITと同様の手法では廃棄費を適切に積み立てることが難しくなる可能性があり、その場合には、適切に確保できるように調整するとしている。

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