山口県宇部市は、地元の民間企業などと共同出資して地域新電力会社「うべ未来エネルギー」を11月1日に設立した。市内の再生可能エネルギーなどを活用して市公共施設に電力を供給することで、エネルギーの地産地消を推進するとともに、地域に資金を循環させる。2020年4月1日から電力供給を開始する。
同市環境保全センターのごみ焼却施設で発電された余剰電力を有効活用し、市役所本庁舎や小中学校などに供給する。事業収益は、市民サービスの向上に役立てる計画。需給管理業務は、中国電力グループのエネルギア・ソリューション・アンド・サービス(広島市)に委託する。
電源構成は、36%が環境保全センターのごみ焼却発電、55%が中国電力の常時バックアップ電源、その他を日本卸電力取引所(JEPX)などの市場から購入する。将来的には、市内の太陽光発電所などの再エネ電源の購入も検討する。
3年後の契約電力量は約9400kW、使用電力量は年間約1100万kWh。電気料金の売り上げは年間約2億8500万円、事業収益は年間約2100万円程度の見込み。対象は市の高圧公共施設の一部80施設程度。また、公共施設の電気料金抑制効果は年間約1400万円程度と試算している。
総出資金額は1000万円、出資者は宇部市(350万円)、宇部商工会議所(100万円)、オカダ電気(115万円)、柏原物流(115万円)、長州産業(115万円)、山口銀行(50万円)、西中国信用金庫(50万円)、西京銀行(50万円)、エネルギア・ソリューション・アンド・サービス(55万円)。