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住友電工、ストリング監視データをAI分析、改善提案も

2019/11/15 10:30
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 住友電気工業は11月13日、太陽光発電所の運用状況を診断するレポートサービスを11月から開始すると発表した。

 同社は、PLC(電力線通信)によるストリング(太陽光パネルの直流回路)ごとの常時監視システムを提供しており、今回は、同装置の提供に加え、蓄積したストリング監視データを分析し、異状の検出と特定、対策提案までを含めた解析レポートを作成する。他社のストリング監視システムを採用しているサイトでも、対応するという。

 ストリング監視によって収集した膨大なデータを、独自開発のAIによる解析アルゴリズムを用いて、分析することで、太陽光パネルの不具合や劣化状況、影の影響などを把握し、対策までを提案する。

 同社は、2016年から「PLCストリング監視装置」を本格的に提供しており、合計450MWを超える導入実績がある。ただ、ストリング監視によって蓄積された膨大なデータを生かしていないケースも多く、顧客から運用面への活用を望む声もあったという。そこで、監視システムの設置に加え、導入後のデータ解析サービスまで踏み込むことで、ストリング監視のいっそうの普及も促したい考え。

 今回のサービスでは、解析レポートを日次・月次・年次で安価に提供するという。日次レポートでは毎日の発電所状況や不具合の箇所やその理由を通知し、月次レポートでは月間の発電所状況を一目でわかるよう提示、年次レポートでは、逆流電流や経年劣化のほか、発電所の周辺にある建屋や木による影の影響など、さまざまな観点からストリングごとに異常を検知し、点検したほうがよいストリングを特定するという。

解析レポートのイメージ
(出所:住友電工)
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 発電量の改善提案や、前年との劣化状況比較など、顧客の発電所ごとにきめ細かく解析するという。過去1年間の試行サービス(パネル出力1MW~80MWの発電所)では、影の影響を受けやすい場所を特定して売電損失額を明らかにし、配線変更の改善を提案して売電収入が増えた例や、不具合パネルの早期特定により瑕疵担保期間内のパネル無償交換を実現した例などもあるという。

 今回の解析技術には、同社が経済産業省の下で進めてきた「新エネルギー等の保安規制高度化事業(電気施設保安技術高度化の評価・検証事業)」で得た知見が生かされているという。

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