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大林、洋上風力の建設技術を確立、基礎設置に大型機械不要

2019/11/20 18:50
工藤宗介=技術ライター
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スカートサクションによる洋上風力発電基礎
(出所:大林組)
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テンションレグプラットフォーム型 浮体式洋上風力発電施設
(出所:大林組)
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スカートサクションの原理
(出所:大林組)
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洋上でのスカートサクション設置の様子
(出所:大林組)
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 大林組は11月13日、着床式および浮体式の2つの形式における洋上風力発電における建設技術を確立したと発表した。自社開発した基礎構造「スカートサクション」を実際に洋上に設置および撤去することで適合性を実証した。

 スカートサクションは、基礎頂版から下方に伸びた円筒形の基礎構造。海底地盤中に貫入し、スカートと海底地盤面で囲まれた密閉空間の水をポンプで排水し、水圧を低減することで荷重を得る仕組み。基礎内部を密閉することで、急激な引き抜き荷重に抵抗する受働サクション(引き抜き抵抗)と地盤の受働抵抗が生じる。

 通常の着床式基礎における自重および摩擦抵抗と比べて約3倍の引き抜き抵抗力を持つ。また、モノパイルやジャケットの杭を打設する大型機械が不要となるため、基礎工事のコストを約20%削減、工期を約40%短縮できる。

 今回設置および除去を行ったスカートサクションは、全高33m,スカート長さ8m、スカート径12mになる。水深13mの海中に設置し、約2週間かけて基礎に作用する波力、基礎の応力や変位・傾斜角などを計測。終了後はスカート内に注水し完全撤去した。

 洋上風力の基礎になり得る実大規模で、実際の波浪を受ける洋上に設置し、撤去まで実施したのは国内初となる。一般財団法・沿岸技術研究センターから港湾関連民間技術の確認審査技術評価証を取得した。

 また、浮体式洋上風力発電のアンカーにスカートサクションを採用した「テンションレグプラットフォーム型 浮体式洋上風力発電施設」を考案し、一般財団法人・日本海事協会(Class NK)から設計基本承認(AIP)を取得した。

 テンションレグプラットフォーム型は、浮体と、浮体を海底地盤に緊張係留するためのテンションレグ、テンションレグを海底地盤に固定するアンカーから構成される。海域の占有面積が小さいのが特徴で、生物への影響を抑えられる、係留材が少量で済む、洋上風車の動揺がしいたく発電効率が高いなどのメリットがある。

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