「太陽光パネル新税」、事業者連盟が「導入反対」の意見書

2019/12/05 18:20
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
美作市内で「パネル新税を考える」シンポジウムが開催された
(出所:日経BP)
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 岡山県美作市が事業用太陽光発電所を対象に導入を目指している「太陽光パネル税」に関し、全国の太陽光発電事業者などでつくる一般社団法人・太陽光発電事業者連盟(ASPEN、東京都)が11月28日、導入の撤回を求める意見書を同市と市議会に提出した。

 意見書では、「世界的な再生可能エネルギー導入拡大の流れに逆行する」ことや、「太陽光発電設備には対しては、すでに固定資産税などが課されており、発電事業者に対する2重課税になる」などの問題点を指摘したうえで、新税の導入撤回を求めた。加えて、「太陽光発電の先進地域として、再エネによる地域創生を実現すべき」と提案した。

 「太陽光パネル税」は、地方税法に基づく法定外目的税で、事業用太陽光発電所のパネル設置面積に応じ、発電事業者に課税するもの。具体的には、パネル1m2当たり50円を2020年度から10年間、課税する構想を掲げている。課税対象は、出力10kW以上の野立てタイプの事業用太陽光発電所で、建築物の屋根上に設置した太陽光パネルは含まない。 税収は年間で約9000万円を見込んでいる。 税収の使途(目的)は環境保全と防災対策のほか、町民の生活環境の維持向上としている。

 仮に導入されれば全国で初めてとなり、他の地方自治体にも広がる可能性が高いことから、注目を集めている。

 新税の法案は、課税対象となる大規模太陽光発電事業者からの質問に対して市側の回答が遅れるなどで、市議会で審議に入れず、6月と9月定例会とも継続審査となっていたが、12月の定例議会で審議が再開される。市側はすでに大規模事業者に対して回答済みという。

 太陽光発電事業者連盟では、27日に美作市内のホテルで、新税の問題点などを議論するシンポジウムを開催して、約100人が参加した。シンポジウムでは、法定外目的税に詳しい弁護士の講演があり、「国の政策に反しないとともに、税収の使途が納税者にとって納得感のあることも重要」、「過去、法定外目的税を導入した自治体が課税対象企業から提訴されて、最終的に自治体側が敗訴した」などの事例が紹介された。

 また、美作市内で太陽光発電所の建設を計画していた参加者からは、「パネル新税を導入する動きを知って、建設計画を断念することにした」などの声が聞かれた。