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世界初の「液化水素」運搬船が進水、豪州から輸入

2019/12/13 11:52
工藤宗介=技術ライター
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液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」
(出所:川崎重工)
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 川崎重工業は12月11日、神戸工場で建造した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の命名・進水式を開催した。今後、播磨工場で製造している容量1250m3の液化水素貯蔵タンクを搭載し、2020年秋頃に竣工する予定。

 同船は、マイナス253度に冷却し体積が気体の800分の1になった液化水素を安全に長距離海上輸送するために開発された。搭載する液化水素タンクには真空断熱二重殻構造を採用する。全長は116m、総トン数は約8000t。推進機関はディーゼル発電・電気推進で航海速力は約13.0ノット。

 竣工後は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」の一環で、2020年度に実施される国際水素エネルギーサプライチェーン構築に向けた技術実証試験に投入される。オーストラリアで製造された液化水素を日本に輸送する。

 同社は、2016年に岩谷産業、シェルジャパン、電源開発(Jパワー)と共同で技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構「HySTRA」を結成した。NEDOの支援のもと、大量の水素を経済的・安定的に調達するためのエネルギーサプライチェーン構築に向けた技術開発を進めている。現在は同船のほか、液化水素の受入基地を神戸市に、褐炭ガス化設備をオーストラリアに建設している。

 また、2018年に同社と岩谷産業、Jパワー、丸紅、豪AGL Loy Yangはコンソーシアムを構成し、オーストラリア連邦政府およびビクトリア州政府からの補助を受けて、ガス精製設備、水素液化・積荷基地などの建設を進めている。

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