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地域未利用材で熱電併給、シン・エナジーが有田川町で

2019/12/16 23:52
工藤宗介=技術ライター
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和歌山県有田川町の木質バイオマス発電スキーム
(出所:シン・エナジー)
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 シン・エナジー(神戸市)は12月10日、和歌山県有田川町に出力900kWの小型木質バイオマス発電所を建設すると発表した。地元の未利用材を有効活用し電気と熱を供給する。地元主体の発電所として、地元金融機関の融資や林業関係者などから出資を募り、2020年5月に着工、同年12月に発電を開始する予定。

 発電設備にオーストリアURBAS(ウルバス)製の熱電併給装置(定格出力450kW×2)を採用した。年間発電量は一般家庭の約2300世帯分に相当する約6700MWhを見込む。発電した電力は関西電力に全量を売電する。燃料は年間1万tの木材をチップ加工して使用する。

 また、発電時に生じた熱は、チップ製造工場に供給しチップの乾燥に利用するほか、熱利用施設や工場など近隣の熱需要家に供給する。同システムの発電効率は31%。熱利用を含めた総合エネルギー効率は最大82%になる。

 和歌山県は森林率が全国8位と豊富な森林資源を持つが、急峻な地形により伐採が容易でないこと、木材の買取価格が年々下落していることなどから、近年は林業が低迷しつつある。その一方で有田川町は、風力発電、太陽光発電、小水力発電など再エネの導入を推進してきた。

 和歌山市で開催された「バイオマスセミナーin和歌山」で同社代表が講師を務めた公演を地元林業関係者が聴講したこと、以前から商社から地域資源を有効活用したいという相談を受けていたことなどから有田川町や林業関係者とのつながりが生まれ、同事業がスタートした。

 同社は、行政、地元企業、商社とともに「地域にフィットすること」を重視し、地元の林業規模にあった最適な仕様や事業内容を検討してきた。将来的には、工場や農家、行政施設などにバイオマスボイラーを設置し、燃料のチップ販売などを進め、地域の化石燃料を減らしてくバイオマスセンターとしていく。

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