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「再エネへの転換で100カ国を支援」、国連とIRENAが発表

2019/12/17 13:31
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 国際連合(UN)と国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は12月11日、世界中の国々が太陽光や風力、水力といった再生可能エネルギーへの大規模かつ速やかな移行に着手すべきだとの見解を発表した()。

図●COP25で国連とIRENAが共催したイベントの模様(出所:IRENA)
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 スペインのマドリードで開催された「国連気候サミット(COP25)」の会期中、両者が共催したイベントにおいて明らかにしたもの(関連記事1)。

 化石燃料への依存を絶ち温室効果ガスの排出量を大幅に抑制することにより、気温上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内に抑制するというパリ合意の目標を世界の国々が達成する取り組みは可能だとしている。

 そのためには、2030年までに再エネ設備容量の導入を6倍に増加させ、温室効果ガス排出量を45%削減する必要があるという。

 国連開発計画(UNDP)は「Climate Promise(気候の約束)」というイニシアチブを2019年9月に立ち上げている。これにより各国が気候変動に関してより踏み込んだ公約に改定し、「自国が決定する貢献(NDC:Nationally Determined Contributions)」として2020年までに提出できるよう、可能な限り多くの国を支援するとしている。

 UNDPはNDC提携パートナーなどと共同で世界の100カ国を支援し、気候変動対策への公約を2020年までに速やかに強化するよう働きかけることで、140カ国以上が参加している気候変動関連の取り組みをより一層拡充する。

 IRENAは各国の取り組みで必要となる知見や情報を提供し、再エネへの転換を加速できるよう支援する。

 UNDPのアヒム・シュタイナー総裁は、「再エネへの移行は、経済の活性化や何百万人もの雇用創出など、開発において大きな影響をもたらす。取り組みが難しいことは理解しているが、エネルギー転換は実現可能だ。UNDPでは気候変動対策により大胆に取り組む国々を支援する準備が整っている」と述べている。

 また、IRENAのフランチェスコ・ラ・カメラ事務局長は、「再生可能エネルギーなしでは、持続可能な開発はできない。低炭素エネルギーへの移行を加速し、持続可能な開発に取り組むことでこそ、経済を繁栄させることが可能だ」と述べている(関連記事2)。

 IRENAによると、これまでに提出された156件のNDCのうち135カ国が再エネに言及しているものの、その大半では目標を達成するうえで再エネの利活用が不十分という。また、再エネの目標を実現するためには2030年までに1.7兆ドル以上が毎年必要となるが、その資金の多くは、化石燃料への補助金を削減した結果、調達が可能になると見積もっている。

 IRENAはこれに関連して、COP25での共催イベント会期中に「2020年のNDCs:電力分野での再エネ増加、およびその先の取り組み」という調査報告書も発表した。

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