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東芝、アサヒグループにCO2分離回収装置を納入

2019/12/24 20:24
工藤宗介=技術ライター
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CO2分離回収試験装置の外観
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は12月23日、アサヒグループホールディングスの独立研究子会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(AQI、茨城県守谷市)向けに、CCU(CO2の分離回収・利用)のためのCO2分離回収試験装置を納入したと発表した。

 東芝エネルギーシステムズのCO2分離回収設備は、化学吸収方式による燃焼後回収技術を採用しており、多くの排ガスに適用でき、かつCO2の回収規模が任意に設定できるという。同方式で用いる水溶液は、低温時はCO2を吸収し、高温時にはCO2を放出するという特性を持ち、その特性を利用してCO2を分離回収する。

 これまでに国内で試験装置も含め4件の納入実績がある。5件目となる今回の案件では、取り出すCO2の純度をより高める独自開発の高度洗浄処理技術を採用した。アサヒグループ研究開発センター内に設置し、同センターのボイラー設備から発生する排ガスからCO2を分離回収する。

 アサヒグループは、2019年2月に策定した「アサヒグループ環境ビジョン2050」に基づき、2050年までに事業活動における温室効果ガス排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を目指している。AQIは、グループ各事業会社での食品や飲料への利活用を念頭に、信頼できる低コストのCO2分離回収システムを導入するための検証を行う。東芝エネルギーシステムズは、今回得られる知見を反映し、今後アサヒグループに対して大型化を含め継続的に提案していく。

 CO2分離回収技術について海外では、石炭火力発電対象で年間80万t以上、産業分野や天然ガス火力発電対象で年間40万t以上のCO2を分離回収・利用・貯留できる大規模CCS(CO2の分離回収・貯留)/CCU設備が19カ所稼働しており、多くのプラントが計画・建設準備段階にあるという。また、規模の小さい設備は既に多数存在するという。

 国内では、CCS実用化に向けた実証事業が行われる一方、CCSについても、2019年6月に経済産業省がCO2を資源として捉え、分離回収して多様な炭素化合物として再利用するカーボンリサイクルの技術ロードマップを策定するなど、イノベーションの加速化の機運が高まりつつあるという。

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