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美作市の「太陽光パネル新税」、市議会で3度目の「継続審査」に

2019/12/26 19:12
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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美作市は全国初の「事業用パネル税」の創設を目指す
(出所:日経BP)
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 岡山県美作市の市議会は、12月20日に定例会本会議を開き、美作市が導入を目指している「事業用太陽光パネル税」を創設する条例案を審議し、「継続審査」とする提案に賛成多数で同意された。これにより、市が目指していた2020年度からの導入は困難となった。

 「太陽光パネル税」は、地方税法に基づく法定外目的税で、事業用太陽光発電所のパネル設置面積に応じ、発電事業者に課税するもの。具体的には、パネル1m2当たり50円を5年間、課税する構想を掲げている。課税対象は、出力10kW以上の野立てタイプの事業用太陽光発電所で、建築物の屋根上に設置した太陽光パネルは含まない。 税収は1年で約1億円、5年間で5億円を見込んでいる。 税収の使途(目的)は環境保全と防災対策のほか、町民の生活環境の維持向上としている。

 仮に導入されれば全国で初めてとなり、他の地方自治体にも広がる可能性が高いことから、注目を集めている。

 新税の条例案は、納税額が多くなる特定納税義務者からの質問に対して市側の回答が遅れるなどで、市議会で審議に入れず、6月と9月定例会とも継続審査となっていた。

 同条例案は、20日の定例会本会議に先立って、11日に市議会総務委員会の議題となり、継続審査となっていた。20日の定例会本会議では、総務委員会の場で美作市が説明した内容が公表された。それによると、特定納税義務者に該当する3事業者から反対意見が提出されているという。また、特定納税義務者以外にも課税対象となる太陽光発電事業者8社から新税に対する意見表明があり、市外に本社のある企業はすべて反対意見だったという。

 また、仮にパネル新税が導入された場合の全国自治体への波及可能性に関し、すでに5自治体から美作市に対して、問い合わせのあったことが、明らかにされた。

 総務委員会では、こうした市側の説明に対し、特定納税義務者を含めた課税対象となる太陽光発電事業者に対する説明が不十分で、まだ十分な理解が得られていないことなどから、「継続審査」とする結論となり、20日の定例会本会議でもこうした方針が了承された。

 これにより、「太陽光パネル税」条例案は、3度目の「継続審査」となった。今回の本会議では、議員の一人から、「継続審査」として先送りが続いていることへの批判もあった。2020年3月の定例会では、最終的な決着を目指す動きが本格化しそうだ。

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