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アンフィニ、「融雪機能付き」太陽光パネルを開発、南会津町で実証開始

2020/01/06 14:13
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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南会津町で実証を始めた「融雪機能付き太陽光パネル」
(出所:日経BP)
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融雪システムの制御盤
(出所:日経BP)
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 「Japan Solar」のブランドで太陽光パネルを製造・販売するアンフィニ(大阪市浪速区)は、融雪機能付きの太陽光パネルを開発し、福島県南会津町に設置して実証を始めた。

 同社は、同県楢葉町で太陽光パネル工場を操業しており、産業技術総合研究所・福島再生可能エネルギー研究所(FREA)と共同で、豪雪地帯向けの太陽光発電システムを開発してきた。サイト実証では、南会津町の和泉電機と連携して民家の屋根上に設置した。

 この冬から実証を始めた融雪機能付き太陽光パネルは、太陽電池セル(発電素子)とバックシートの間に発熱シートを挟んだ構造で、センサーが降雪を感知すると、カバーガラスを下から加熱することで、パネルに降った雪を解かす仕組み。

 結晶シリコン型太陽光パネル(60セル・280W/枚)に融雪機能を持たせた。パネル1枚の融雪に必要な電力は300Wで、購入電力で賄う。室内の実験施設で行った実験では、室温零下10度、積雪量20㎜、降雪量20㎜/hの条件下で、約30分で融雪が完了した。

 南会津町の実証では、屋根にパネル15枚を設置し、パネル出力4.2kW、融雪機能に必要な電力4.5kWのシステムとなる。実証期間は1年間で、実際の気象条件のなかで、融雪による発電量の増加効果、融雪にかかる電気代などを検証して、改善につなげる。

 豪雪地帯では冬季の日照が少ないうえに、太陽光パネルが雪に覆われている間は晴れても発電量が伸びない。このため太陽光発電に向かないとされ、住宅向け太陽光の普及も進んでいないのが現状だ。融雪機能付きパネルは、発電量を増やす効果に加え、従来、雪国の民家で必要だった雪下ろしの作業を軽減する効果もある。

 雪国の場合、融雪システムに使う電気を割安で購入できる制度があるほか、1回に数万円かかる雪下ろしのコストを考慮すると、「融雪機能」によるコストアップを相殺して費用対効果に優れる可能性もある。アンフィニでは、今回の実証を通じて商品性を検証・改善したうえで、「Japan Solar SnowCut」の商品名で製品化する計画だ。

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