ニュース

ジンコと中国航天科技集団、「宇宙太陽光」を共同開発

2020/01/15 18:31
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
宇宙太陽光発電のイメージ
(出所:一般財団法人・宇宙システム開発利用推進機構)
クリックすると拡大した画像が開きます

 中国の太陽光パネルメーカーであるジンコソーラーは1月7日、中国航天科技集団傘下の上海空間電源研究所と戦略的提携枠組み協定を締結し、宇宙太陽光発電所向けの電池技術を共同開発すると発表した。

 宇宙太陽光発電とは、宇宙に巨大な太陽光パネルとマイクロ波の送電装置を配置し、太陽光パネルで発電した電気をマイクロ波に変換して地上に送電し、再び電力に変換する構想。米国などでアイデアが提唱されてきた。

 今回の協定に基づき両者は、宇宙太陽光発電所のほか、人工衛星や航空機に搭載する太陽電池の開発にも取り組む。具体的には、これらに適用できる次世代太陽電池を目指し、変換効率や出力密度が高く、放射線性や熱への耐性に優れ、長寿命で軽量のデバイス開発に注力する。

 地上設置の太陽光発電所は季節や昼夜の長さ、天候と光の分布の影響を受けるのに対し、地球同期軌道上の太陽光発電所は24時間発電できる。また、地球同期軌道の平均太陽光エネルギーは約1300W/m2と、地上の約1000W/m2より高密度になる。

 ジンコソーラーは、4年連続で出荷量世界1位の太陽光パネルメーカーで、世界で6カ所の生産拠点を持つ。生産能力はシリコンインゴットとウエハーが15.6GW、太陽電池セル(発電素子)が9.2GW、太陽光パネルが15GWに達する。また、太陽光発電業界で初めて、事業活動を再生可能エネルギー100%で賄うことを目指す国際イニシアチブ「RE100」に加盟した。

 上海空間電源研究所は、「星、矢、弾、船、(探知)器」およびその他の特殊な設備用電源システムの研究・設計・製造・試験のほか、太陽光発電と蓄電の民需産業のインキュベーションを担っているという。

 宇宙太陽光発電のコンセプトは、日本でも経済産業省が検討会を設置して事業性を試算した経緯があるほか、神戸大学や三菱重工業が長距離の無線送電を地上試験で実証した実績がある。

  • 記事ランキング