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中国「新型肺炎」の影響、太陽光発電のサプライチェーンにも波及

2020/02/04 16:36
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 感染者数が2万人を超えるなど新型肺炎の収束する見通しが立たない中国で、太陽光発電産業への影響も深刻化してきた。

 投資銀行である米ROTH Capital Partnersは、最近の顧客の投資家向け情報で新型肺炎の拡大が太陽光発電産業のサプライチェーンに影響を及ぼす可能性が高いと指摘した。

 同社はその理由として、中国政府が新型肺炎の影響拡大を抑制するために江蘇省や浙江省など8省で春節の休業期間を2月9日まで延長したこと、それによってそれらの地域に主力工場を持つトリナソーラーやジンコソーラーといった大手太陽光パネルメーカーの生産量が減少する見込みであることなどを挙げている。

 サプライチェーンへの影響が及ぶのは、太陽光パネルだけではない。

 中国は、パワーコンディショナー(PCS)や架台、配線用ケーブルといった太陽光発電の主要部材でも大半を世界各地に供給している。

 新型肺炎が発生した武漢や湖北省に主力製造拠点が数多く立地する自動車産業ほど影響が大きくはないとみられるものの、工場の操業が停止することによって、これらの主力主要部材で納期の遅れが発生する公算が大きい。

 日本国内では今年度末が固定価格買取制度(FIT)の節目となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)などで影響が及ぶプロジェクト案件も出てきそうだ。

 中国太陽光発電産業協会(CPIA)は1月31日、同協会が2月の中旬から下旬に開催を予定していた関係者向けのセミナーなどの一連のイベントの中止や延期を発表した()。

図1●新型肺炎の影響拡大によりイベントの延期を発表した中国太陽光発電産業協会の公式ホームページ
(出所:CPIA)
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 また、Bloombergなど欧米のメディアは、CPIAが2月3日、太陽光発電の買取価格の切り下げ延期や太陽光関連事業者への無利子融資や補助金といった支援策を中国政府に対して要請したと報じている。

 中国では2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した。今回の新型肺炎は致死率がSARSほど高くはないものの、感染者数が既にSARSの3倍以上となっており、太陽光発電産業への影響も2003年より深刻化することも懸念される。

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