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「世界のCO2排出量、2019年は前年並みの水準」、IEAが発表

2020/02/18 10:44
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 国際エネルギー機関(IEA)は2月11日、エネルギーに関連する二酸化炭素(CO2)の排出量が2019年に世界全体で前年並みに留まったと発表した(関連記事1)。

 IEAが同日公開したデータによると、2019年の世界全体の経済は2.9%成長したものの、CO2の排出量は33Gtで前年と同レベルだったという。

 IEAはその主な理由として、先進各国において化石燃料から風力や太陽光といった再生可能エネルギーへの転換、石炭から天然ガスへの代替、原子力発電の増加などが進んだためCO2排出量が減少したことを挙げている。

 また、その他の要因として、一部の国や地域では天候が穏やかとなったこと、新興市場において経済成長が鈍化した国々が存在したことなども指摘した。

 2019年に先進各国における排出量の大幅な抑制が、それ以外の国の経済成長に伴う排出量を相殺したとする。

 具体的には、まず米国では1億4000万t(2.9%)減となり、同国として大幅な排出量の抑制を記録した。この排出量は同国における2000年のピーク値から約1Gt少ないという。

 欧州連合(EU)では、発電分野で排出量の抑制が進んだことから1億6000万t(5%)減となった。火力発電で天然ガスが石炭を初めて上回ったほか、風力発電による電力量が石炭火力に匹敵するレベルまで増加したためとしている。

 世界全体では、排出量は約4億t増加した。増分の80%近くは、石炭火力による発電が今なお増加し続けているアジア諸国に由来するという。

 先進各国では電力分野における排出量は、電力需要が現在より3分の1ほど少ない1980年代後半と同等の水準まで下落した。再エネや天然ガスへの代替、弱含みの電力需要などの結果、石炭火力は15%近く減少している。

 IEAのファティ・ビロル事務局長は、「2019年を温室効果ガス排出量の伸びが一時的に止まった年として終わらせるのではなく、正にピークとして記憶されるよう、今後取り組んでいく必要がある」と述べている。

 IEAは今回、「世界エネルギー見通し(World Energy Outlook: WEO)特別報告書」を2020年6月に発表することを明らかにした(関連記事2)。これにより、エネルギー由来のCO2排出量を2030年までに現在より3分の1抑制することで、気候変動対策における長期的な目標を世界全体で達成できるように支援する。

 また、2020年7月にフランスのパリで「IEAクリーンエネルギー転換サミット」を開催、主要な国の関係閣僚、企業のCEO(最高経営責任者)や投資家、その他のステークホルダーを世界全体から招集して、今後の変化を加速するために協議するという。

 これらの活動については、2月12日にIEAがパリで開催した関連イベントでCOP24~26の開催国であるポーランド、スペイン、英国の関係閣僚に対してビロル事務局長が説明を行った()。

図●IEAが2月12日にパリで開催したエネルギー関連イベントの模様
(出所:IEA)
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