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モミ殻からシリカ製造し排熱利用、ベンチャーが処理炉を製品化

2020/02/25 20:55
工藤宗介=技術ライター
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モミ殻処理炉
(出所:ウッドプラスチックテクノロジー)
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 ウッドプラスチックテクノロジー(鳥取県倉吉市谷)は2月20日、モミ殻を熱利用する処理炉の販売を開始したと発表した。モミ殻から農業・工業分野で利用できるシリカを製造するともに排熱を利用できる。

 モミ殻は、日本国内で年間200万tと大量に発生しているが、燃焼条件の管理の難しさからエネルギー源としては未利用だった。モミ殻処理炉は、高度な制御技術で熱処理し、非晶質の可溶性シリカを多く含むシリカを製造する。製造されたシリカは、農業用の土壌改良材や、同社製養生用マットの合成ゴムの添加材などに利用される。

 モミ殻の燃焼時に排出される二酸化炭素は、稲が成長する際に大気中から吸収したものに由来することからカーボンニュートラルとして扱われる。処理炉1台で重油420kL分(約3000万円相当)を代替し、1100tの二酸化炭素排出量削減効果が見込まれる。

 同社の出資するNSIC(富山県射水市)が開発した製品。いみず野農協(同)が2018年に導入し、域内で発生するモミ殻からシリカを製造し、熱はイチゴ栽培用の農業ハウスに利用している。1時間あたりモミ殻120kgを投入しシリカを20kg製造している。

 導入費用は約1億円(機器本体、据付)。周辺設備は別途かかる。同社によると、全国に870カ所のカントリーエレベーター(コメの集積拠点)があり、10年間で200台の導入、年間2万8000tのシリカ製造が目標という。

 ウッドプラスチックテクノロジーは、東京大学で開発された木質バイオマスとプラスチックの複合材料「ウッドプラスチック」の製造技術を事業化するために2008年設立されたベンチャー企業。また、バイオマスの活用およびバイオマスタウンに関するコンサルティングも手掛ける。

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