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商用系統に頼らない「オフグリッド植物工場」、太陽光や風力を自家消費

2020/02/27 13:14
工藤宗介=技術ライター
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オフグリッド植物工場のシステムイメージ
(出所:HPRS)
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旧多度志中学校
(出所:HPRS)
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 北海道パレットリサイクルシステム(HPRS、北海道深川市)は、閉校した中学校の校舎を利用して、太陽光や風力発電を自家消費することで既存電力網に頼らないオフグリッドの植物工場を設置する。2019年12月から校舎の改修工事を開始し、2020年7月ごろから農作物を栽培する予定。

 2014年3月末に閉校した深川市立多度志中学校の校舎を植物工場に改修。初年度はリーフレタス日量400株などを育成・販売し、需要に応じて品目数や生産数を順次拡大する。同社によると、建物規模から最大で日量1800株程度までの育成が可能としている。深川市はコメを特産品としており青果の生産は多くないことから、植物工場の設置により新たな特産品の創出を目指す。

 グラウンドには植物工場に必要なエネルギーを全て賄える太陽光発電設備と風力発電設備を設置。生産拡大に伴い必要なエネルギー量に応じて順次拡張する。将来的には、工場残渣をエネルギー変換するバイオマス発電設備も設置する予定。余剰電力は、商品を配送するEV(電気自動車)の充電システムや、災害時に地域で使用する電力の蓄電などに用いるという。

 このほかにも、体育館を活用した水産物養殖施設を併設する。養殖魚の排出物を含んだ水を植物水槽に循環させて、植物が栄養分を吸収し、それによって浄化された水を再び養殖水槽へ戻すという水の循環を確立することで植物と養殖魚の生産性を向上させるアクアポニックスを研究しており、2021年度の実用化を目指す。

 旧多度志中学校の校舎は、1971年竣工の鉄筋コンクリート造2階建て、土地面積は4万4901m2、建物延床面積は2841m2。文部科学省の承認のもと、深川市から校舎およびグラウンドを5年間の無償貸与を受けた。北空知信用金庫および日本政策金融公庫から事業性評価に基づく融資を調達した。総事業費は1億3500万円を見込んでいる。

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