再エネ特措法の改正案を閣議決定、「FIP」や廃棄費用の外部積み立てなど

「配電事業」「アグリゲーター」を法律上に位置付け

2020/03/11 17:32
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ

 経済産業省は2月25日、電気事業法や固定価格買取制度(FIT)を定める再エネ特措法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)の改正案が閣議決定され、第201回通常国会に提出されると発表した。

 今回の改正案に盛り込まれた再エネに関する改正点は、経産省の主催する有識者会議(再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会)で昨年秋から議論し、今年2月に「中間とりまとめ」を正式に公表した内容に基づくもの。

 再エネ特措法に関連したものでは、(1)固定価格での買い取り(FIT)に加え、新たに市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する(フィード・イン・プレミアム=FIP)制度を創設、(2)再エネの導入拡大に必要な地域間連系線などの送電網の増強費用の一部を、賦課金方式で全国で支える制度の創設、(3)事業用太陽光発電事業者に、廃棄費用の外部積み立てを原則義務化、(4)系統が有効に利用されない状況を是正するため、認定後、一定期間内に運転開始しない場合、当該認定を失効――などになる。

FIP制度の仕組みイメージ
(出所:経済産業省)
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「アグリゲーター」を法的位置づけに

 また、電気事業法の改正案では、災害に強い分散型電力システムに関する改正項目があり、再エネ電源とも関連してくる。それらの主なものは、(1)地域で分散小型電源など含む配電網を運営しつつ、緊急時には独立したネットワークとして運用可能となるよう、配電事業を法律的に位置づける、(2)山間部などにおいて電力の安定供給・効率性が向上する場合、配電網の独立運用を可能にする、(3)分散電源などを束ねて電気を供給する事業(アグリゲーター)を法律上に位置付ける、(4)家庭用蓄電池などの分散型電源などを活用するため、計量法の規制を合理化する、(5)太陽光・風力などの小出力発電設備を報告徴収の対象に追加するとともに、製品評価技術基盤機構(NITE)による立ち入り検査を可能にする――など。

「アグリゲーター」のイメージ
(出所:経産省)
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 今回の改正案では、昨秋から有識者会議で検討してきた「地域活用電源」を評価する仕組みの在り方などは、盛り込まれていない。ただ、低圧事業用太陽光に対しては、すでに2020年度から自家消費による余剰売電に移行し、自立運転機能をFIT適用の条件とすることが決まっている。FIT運用での「地域活用電源」概念の創設は、法改正を伴わず、ルール変更によって実施していくことになる。