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洋上風力向けパッケージ保険、工事・操業中のリスクを包括補償

2020/03/12 20:54
工藤宗介=技術ライター
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五島沖で稼働する洋上風力設備
(出所:日経BP)
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 東京海上日動火災保険は、国内の洋上風力発電事業者向けに、洋上風力設備の工事中や操業中のリスクを包括的に補償する「洋上風力発電向けパッケージ保険」を開発したと発表した。4月から提供する。

 大型の洋上風力発電プロジェクトの建設・稼働が増加している欧州では、設備工事中の「工事保険」と操業中の損害を補償する「操業保険」をパッケージにした包括保険が一般的だ。一方、日本国内では、これまで実証機が数機建設されただけであり、洋上風力発電設備への包括的な補償は提供されていなかった。

 今回発表した洋上風力向けパッケージ保険では、洋上風力施設の「海上に設置される」という特徴から、従来の「船舶保険」をベースに、設備の操業中の損害のほか、発電設備の工事中に生じた損害や、それによって工事が遅延し完成が遅れたことによる損害などを包括的に補償する。発電事業者のほか、タービンメーカーやプロジェクトの建設請負会社、他工事関係者などの事業関係者も対象とする。

 また、設備修理時の傭船料(修繕に使用する船舶の手配料)や、設備が全損となった場合の撤去費用など、洋上風力発電特有の事故も補償する。台風、地震、津波などの自然災害リスクには、独自の計算モデルにより予想される最大の損害額を算出し、適切な補償額を提供する。

 経済産業省の「第5次エネルギー基本計画」では、2030年度における風力発電全体の導入容量を約10GWとする目標が掲げられている。また、2019年2月には「再エネ海域利用法(洋上新法)」が施行され、洋上風力発電事業者による最大30年間の一般海域専有を許可している。

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