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浪江町に世界最大級の水素製造装置、20MWのメガソーラー電力で

「再エネ・水素」製造と「需給調整力」の提供を実証

2020/03/13 09:31
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 福島県浪江町で3月7日、出力20MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を併設した水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」の開所式が行われた。

 同施設は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業の4者により、2018年から建設が進められてきたもので、2月末に完成して、稼働を開始した。まずは、東京オリンピックに関連して運用される燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス、定置型燃料電池システムなど向けに水素を供給する。

 開所式には、事業主体となる4社のトップのほか、安倍総理大臣、梶山経済産業大臣、田中復興大臣の閣僚3人、内堀福島県知事、吉田浪江町長が出席し、テープカットを行った。

開所式には安倍首相も参加して祝辞を述べた
(出所:日経BP)
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 安倍首相は、祝辞の中で、「昨年1月にスイスで開かれたダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)で、日本として水素の製造コストを10分の1以下まで下げる目標を表明した。今回、浪江町に完成した研究施設は、水素に関する世界最大のイノベーション拠点になり、こうした目標の達成にも貢献できる」と、期待感を示した。

 FH2Rの敷地面積は18万m2で、20MWのメガソーラーのほか、最大消費電力10MWの水素製造装置と水素貯蔵・供給設備、そして、管理棟からなる。水素製造装置は旭化成製のアルカリ水電解方式で、定格6MWでの運転時で毎時1200Nm3(ノルマル立米:0℃・1気圧の状態時に換算した1m3のガス量)の製造能力があり、これはFCV560台を充填できる水素量に相当する。

 メガソーラーは、電力系統に連系しておらず、全量をFH2Rで自家消費する。約6万8000枚の太陽光パネルを敷地内に設置した。パネルは、東芝製とアンフィニ製を採用した。アンフィニ(大阪市)は、福島県楢葉町に太陽光パネル工場を稼働している。

敷地内には20MWのメガソーラーを敷設して全量を水素製造に使う
(出所:東芝)
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 2月末までに各設備が完成し、今後、それぞれの設備を連系した運用に取り組み、今年7月から本格的な実証運用に移行する予定という。実証事業の総額は約200億円で実証期間は2016~2020年度。

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