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米で「水素火力発電所」、再エネ水素30%でスタート

三菱日立パワーシステムズがガスタービン納入

2020/03/17 19:13
工藤宗介=技術ライター
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水素焚きガスタービンのイメージ図
(出所:三菱日立パワーシステムズ)
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 三菱日立パワーシステムズ(MHPS、横浜市)は、米国ユタ州のIPP(独立電力事業者)であるインターマウンテン電力(IPA)から、84万kW級の水素焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を受注したと発表した。

 GTCC発電設備は、ユタ州都ソルトレイクシティの南西約140kmに位置する石炭火力発電所の設備更新により建設するもの。発電設備はIPAが所有し、同社の最大株主であるロサンゼルス水道電力局(LADWP)が運営する。

 2025年に水素混焼率(体積比による混合比率)30%で運転を開始し、最大で年間約460万tのCO2排出量削減を見込んでいる。発電した電力はカリフォルニア州およびユタ州に広く供給される計画。また、2045年までに水素100%での運転を目指す。

 MHPSは、米国法人を通じてガスタービン2基を高砂工場(兵庫県高砂市)、蒸気タービンと発電機2基を日立工場(茨城県日立市)から供給する。そのほかの設備や補機類は米国法人が調達・供給するとともに20年間の長期保守契約(LTSA)も締結する。

 水素の調達先は未定。有力候補として、同じユタ州内で計画される先進的クリーンエネルギー貯蔵事業(ACES)が期待される。岩塩空洞の開発・運営会社Magnum Developmentが運営する岩塩坑に、太陽光や風力などの再エネを利用した水の電気分解により取り出した水素などを貯蔵し発電などに活用する。MHPSは、2019年にMagnum Developmentと提携し、100%再エネ由来では世界最大級となる100万kWのエネルギー貯蔵施設の開発を目指している。

 MHPSは、1970年代から水素含有燃料を使用する約30カ所の発電所向けにガスタービンを納入した実績があり、総運転時間は350万時間を超える。大型タービンについても独自の燃焼器技術などにより30%の水素混焼技術を確立した。さらに、オランダでは44万kWの天然ガス焚きGTCC発電所を2025年までに100%水素専焼に転換するプロジェクトにも取り組んでいる。

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