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埼玉工大、太陽光とレドックスフロー電池を連係制御

2020/03/24 11:01
工藤宗介=技術ライター
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レドックスフロー電池
(出所:埼玉工業大学)
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電力需給システムの制御イメージ
(出所:埼玉工業大学)
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 埼玉工業大学は、再生可能エネルギーを高い効率で利用する研究開発の一環として、太陽光発電とレドックスフロー電池を連動させた電力需給システムを学内施設「ものづくり研究センター」に設置し、3月11日から同電池の実用化に向けた実証実験を開始した。

 レドックスフロー電池は、電解液が電池セル(充放電素子)と電解液タンクの間を循環する際に充電と放電を行う仕組み。電池反応に関する部材の劣化がないため長寿命であり、不燃性の材料から構成されることから爆発や発火が起きず安全性に優れる。さらに各電池セル間の充電度合いが均一化され高負荷の変動への対応にも優れることから、電力変動の大きい再エネ用の蓄電池に向くとされる。

 ものづくり研究センターは、大学創立40周年を記念して再エネを活用したECO研究センターとして2016年に建設された。再エネを有効活用する観点からレドックスフロー電池の1号機を導入し、3年間に渡って検証してきた。

 今回、これまでの検証・研究の成果を基に2号機となる新型レドックスフロー電池、および太陽光発電と連動させた電力需給システムを設置した。太陽光パネルはものづくり研究センターの南側にある建屋屋上に設置した。パネル出力は3.1kW、レドックスフロー電池は容量6.6kWhで、同センター館内の各種LED照明に給電する。

 電力需給システム、およびレドックスフロー電池、パワーコンディショナー(PCS)は、韓国のエネルギー関連企業HI GROUP Energy & HVACとの共同開発になる。太陽光パネルはサンテックパワージャパン製を採用した。

 太陽光発電の電力を館内照明用に給電すると同時に、余剰電力をレドックスフロー電池に蓄電する。また、夜間や曇りの日など館内設備の需要に対して発電量が不足する場合はレドックスフローから自動的に不足分を給電する。1年間のサイクルでトータルデータを取得する計画。

 トータルシステムとして電力単価(Wh当たり価格)をどこまで下げられるかを電池寿命なども考慮して試算し、コストダウンに向けた研究開発を継続する。また、同システムの実用化に向けて、学外関係者との産官学連携なども検討したいという(関連記事:北の大地に稼働した「大型レドックスフロー電池」の成果)。

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