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着床式洋上風力、「円筒形」基礎を実証、2割コスト低減

2020/03/24 19:30
工藤宗介=技術ライター
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サクションバケット設置断面
(出所:日立造船)
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サクションバケット基礎の仕組み
(出所:日立造船)
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大型風車への適用案
(出所:日立造船)
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 日立造船と東洋建設は3月18日、着床式洋上風力発電設備において、「サクションバケット基礎」の施工技術を実証すると発表した。同工法の導入により資本費を20%低減できるとしている。

 「サクションバケット基礎」とは、円筒形の構造物(サクションバケット)の内部を排水することで地中に貫入する手法。大型施工機械が不要で、逆の手順で注水することで全撤去が可能になり、貫入・撤去作業において大きな騒音・振動が発生しないという特徴がある。洋上風力発電施設の基礎としては欧州で実績があり、国内でも防波堤などで適用実績があるという。

 今回の技術実証では、欧州とは条件の異なる国内の洋上風力発電施設への適用性を検証するとともに、単機出力10MW級以上の風車の普及に備え、大型風車にも対応できる基礎形式・施工技術についても開発する。

 2019年度・2020年度は、東洋建設鳴尾研究所(兵庫県西宮市)において約10分の1縮尺モデルを用いて土槽試験を行い、構造物と地盤の挙動および沈設・撤去の施工性を確認する。また、京都大学防災研究所(京都府宇治市)で遠心力場試験を実施する。両試験の数値解析の結果を踏まえ、実海域試験の検討および同試験で使用するサクションバケット基礎を設計・製作する。

 2021年度は、実海域での貫入および引き抜き試験を行い、構造物と地盤の連成挙動を評価する。2022年度は、大型風車対応の検証を実施し、公的機関による技術認証を取得する計画。

 実証にあたり、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の風力発電等技術研究開発(洋上風力発電等技術研究開発)「洋上風力発電低コスト施工技術開発(施工技術実証)」の助成を受けた。

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