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室内光で世界最高効率、有機薄膜太陽電池で新材料

2020/03/24 20:20
工藤宗介=技術ライター
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OPV用発電材料
(出所:東洋紡)
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PETフィルム基板OPVモジュール
(出所:東洋紡)
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 東洋紡は3月23日、有機薄膜太陽電池(OPV)用に開発中の発電材料について、薄暗い室内で世界最高レベルの変換効率を実現したガラス基板OPV小型セル(発電素子)や、軽くて薄いPETフィルム基板OPVモジュールを試作したと発表した。フランス政府機関CEAとの共同研究による成果という。

 OPVは、炭素や硫黄原子などを含む有機物の発電材料を溶媒に溶かし、電極を持つガラスやプラスチック基板上に塗布することで作製される。同社は、ファインケミカル事業で培った有機合成技術を応用し材料の化学構造を最適化することで、LEDなどの低照度の室内用光源でも高い出力が得られるOPV向け発電材料の開発に取り組んでいる。

 現在開発中の材料は、ノンハロゲン溶媒にも容易に溶かせ、塗布時のむらが抑えられるため、個体差が少なく安定して発電できるという。2019年7月、オフィス環境と同等の照度環境で卓上電卓に使用される一般的なアモルファスシリコン太陽電池と比べて約1.4倍の出力を確認したと発表した。

 同材料の早期実用化に向けて2019年6月から半年間、CEAと共同研究し、溶媒の種類や塗布の手法を最適化したガラス基板OPV小型セルを試作し、薄暗い室内と同等の220ルクスのネオン光源下の検証において、アモルファスシリコン太陽電池の1.6倍に相当する約25%の変換効率を確認した。

 また、ガラスより発電材料の塗布が難しいPETフィルムを基板したOPVモジュールの作製にも成功。有効面積18cm2の試作品が、同照度下で約130μWの出力を達成した。同社は今後、共同研究の成果をもとに電池メーカーを中心に同材料を提案し、まずは温湿度センサーや人感センサーなどのワイヤレス電源用途で2022年度中の採用を目指す。

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