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大成建設、ZEB実証棟を刷新、壁面太陽光の発電量30%向上

2020/03/26 21:48
工藤宗介=技術ライター
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リニューアル後のZEB実証棟
(出所:大成建設)
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 大成建設は2月17日、技術センター(横浜市)の「ZEB実証棟」をリニューアルしたと発表した。より高効率な再生可能エネルギー・省エネ技術への更新によるZEB機能の向上に加えて、AIやIoTを用いた多様な働き方をサポートする技術を開発・導入し「人と空間のラボ」としてZEBとウェルネスの機能を同時に実証する。

 オフィスとして利用しながら太陽光をはじめとした再エネ・省エネ技術を検証することを目的とした建物で、2014年の竣工以来5年間連続で建物単体での年間エネルギー収支ゼロを達成しているという。また、2019年5月には建物・室内環境評価システムの最高位「WELL認証・プラチナ(新築/既存建物全体)」を世界で初めて取得した。

 今回、発電量を30%向上した壁面太陽光パネルを導入した。2019年12月に発表した太陽光パネル一体型外装システム製品「T-Green Multi Solar」とは別の製品で、意匠性と発電性能を向上させた実証中の開発品という。セル(発電素子)(黒く四角形の部分)、配線(銀色に光る線)、バックシート(セル背面の白いシート)を目立たなくして建築物としての意匠性に合うようにした。

 このほかにも、更なる省エネを目的に、効率を20~30%向上するとともに個人の好みなどに適応して色温度を可変にしたLED照明器具、ビル用マルチエアコン、真空・Low-E複層ガラスなどの新製品を導入し、断熱厚さを25mmから50mmに更新した。

 同社によると、これまでZEB実証棟が実証してきた技術はいわゆる最先端の開発技術だった。今回のリニューアルでは、汎用技術を用いてもZEBの実現が可能であることを実証する。さらに、壁面太陽光の発電量を増やし、建物内の消費量を上回るエネルギーを生み出すポジティブ・エナジー・ビルディング(PEB)を実現できるという。

 また、新たに多様な働き方に対応したABW(Activity Based Working)を支える技術として、所在位置を高精度に特定できる「T-Zone Saver Connected」、利用状況に応じて最適な空間に誘導する「T-Workstyle Concierge」を開発・導入した。人の正確な位置情報を把握し、好みの空間(空調・照明)の提供、個人の施設利用や行動分析などのサービスを提供していくという。

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