「太陽光+蓄電池+燃料電池」で系統安定化、大ガスと積水ハウスが実験

2020/03/26 21:58
工藤宗介=技術ライター
居住実験住宅
(出所:大阪ガス)
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居住実験の概要
(出所:大阪ガス)
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 大阪ガスと積水ハウスは3月25日、太陽電池・蓄電池・燃料電池を備えた「3電池住宅」における電力系統の安定化への貢献可能性を検証すると発表した。4月1日から約1年間、居住実験を行う予定。

 奈良県王寺町にある居住実験住宅(軽量鉄骨造2階建て4LDK、延床面積138.8m2)に、出力5.08kWの多結晶型太陽光パネル、容量9.8kWhのリチウムイオン蓄電池、定格出力700Wの固体酸化物形燃料電池(SOFC)を設置し、大阪ガスグループの社員(家族構成3人)が実際に居住する。太陽光発電の出力変動に合わせて燃料電池や蓄電池を制御し、電力系統への変動を抑制し影響を最小化する。

 また、電力系統内に太陽光など再エネ電力が過剰な場合、燃料電池の出力を下げたり、蓄電池に充電することで、電力系統の需給バランス改善に貢献する。VPP(仮想発電所)の1リソースとして3電池住宅を想定し、送配電事業者からの指令を模擬して需給バランスに必要とされる調整力を提供するともに、生活者への影響を評価し課題を抽出する。

 一般的に太陽光発電と蓄電池は、蓄電池の調整可能な充放電電力は大きいが曇天日が続くと蓄電残量が低下し調整力として活用できなくなる場合がある。一方、燃料電池は調整可能な容量は小さいが天候に左右されず継続的な発電でき、長期間継続して調整力として活用できる。3電池住宅では、これらを組み合わせることで調整可能電力を確保しながら長期間継続して調整力として貢献できるとしている。

 両社は、2011年から共同で奈良県王寺町の居住実験住宅を用いて実証している。2011~2014年は、「3電池」と電気自動車を含めたCO2排出量ゼロのスマートエネルギーハウス居住実験を実施した。2016~2018年には、太陽光と燃料電池、全館空調を用いた空調制御によるネット・ゼロ・エネルギーの達成に取り組んだ。